ラブ・リプレイ (『このミス』大賞シリーズ)/宝島社


ちょこちょこ読んではいたけど・・・

やっぱり絶対的に時間が足りないものだね。

はい、そんなわけで大学院進学後2冊目の小説です。

もう学部生の頃のようにはいかないだろうなぁ。

研究室引っ越したら図書館近くなるけど、

それはそれで空き時間は新聞読むようにしたいし。
(なんてったって時事問題知らな過ぎでヤバい)


さて、今回は喜多喜久さんの3冊目の作品。

このミステリーシリーズは珍しいことに

有機化学が絡んでいるので、曲がりなりにも

化学に携わっている身としては気になるもの。

今回も申し訳程度の実験室描写や理系ならではの

生活リズムみたいなものは描かれていた。

まぁここは専門的に書いてもしょうがないところだし、

つかみというか、読者がほろっと親近感を覚える程度で

問題ないと思う。やっぱりNMRとか単語だけでも嬉しいし。

あ、でも前作前々作の人物を噂話とはいえ登場させなくても

いいかなぁとは思った。シリーズものの小説にはよくある手法

だけど、正直降って湧いた感が強くてなんだかなぁ、と思った。


今作で扱うのは未来改変。

これまたループものというものは書き尽くされているだろうから

面白い設定をするのはなかなか難しい気がする。

とはいえ、なかなか小難しいところなくスッキリ読めた。

その分展開が想像しやすいという面もあったが・・・

文章で感想書くのはちょっとしんどいので箇条書き。

<良かった点>
・未来改変のルール
→10周までやり直し可能。最後にオリジナル周か改変周か選択。

・伏線の回収
→序盤の些細な文章までしっかり回収していたのは好印象。

<良くなかった点>
・最終的に身内だけでカポーになりすぎ
→そりゃ日常的に近しいだろうけど・・・パズルじゃないんだから;

・主人公の諦めの悪さ
→理想の未来はいいけど・・・最後の選択に繋げる為とはいえ、
 9週目10週目はなんだか蛇足感。


こんなところですかね。

ややこしい舞台設定故に何とか構成を成り立たせたいのだろうけど、

キャラがみんな作者の都合で動かされている印象はあったかな。

あまり感情移入はできなかった。

まぁじっくり読めば違うのかもしれないけれど・・・


とりあえずこのシリーズも一区切り?みたいなので

読み手のこちらとしても一区切り。

新シリーズはちょっと性に合わないので読まないかな。

化学まったく知らない人が読んだらどんな感じなのか気になるけど、

こういう新しいジャンルを読めたことはいい経験になった。

ホントはもっと幅広いジャンルを読みたいけどなー。

もうそうは言っていられないのかなー。


影丸の一言:
椅子を並べて寝る、っていうのはやっぱりどこでも
そうなんだと思ったりしたけど、さすがにウチの
先輩みたいに他人のデスクの上で寝はしないよね。