喋々喃々/小川 糸


好きな人と、ご飯を食べながら他愛もないお喋り。


なんとも魅力的ではないですか。


それ以上を求めるなんて贅沢なんでしょうね。


今この時代にお互い生きて出会えて、


同じものを食べて・・・


たったそれだけのことですが、意識していないだけで、


きっと奇跡にも近い幸福なのでしょう。



また、作中の栞さんのように、他人を気遣うあまりに


自分を押し殺してしまうのももったいないような気がします。


自分にとっての幸福が、相手にとっての幸福であるケースも


起こり得るのですから・・・。もっと素直に。


ありのままの自分を晒すのは確かに難しいことですが、


それが大切である場面も存在することを考えさせられました。



東北の震災が起こってから、今こうして当たり前のように


生活していることにありがたみを感じるようになりました。


その気持ちが、この本を読んで増幅したように思います。


どんなことでも、当然のことなどないのでしょう。


常に感謝の心をもって日常を過ごして生きたいです。



毎日に感謝したくなる、温かい作品でした。



影丸の一言:

大学祭のための協賛企業回り。

慣れない雰囲気に冷や汗がスゴい(笑


読み終えて、心がじんわりと温かくなるような本でした。