死神の精度 (文春文庫)/伊坂 幸太郎


伊坂幸太郎の本を読み漁ってます。

今回は「死神の精度」。

ずっと気になっていた作品だけに楽しみでした。

で、ちゃんとその期待は裏切られることはありませんでした。


死神が関わる作品は、どうしても重々しいイメージがあります。

そりゃまぁ死神ですからね。

ところがこの作品はそういった鬱屈とした感じはなく、

むしろこれほどコミカルな死神は他作品では見られないことでしょう。


死神の千葉さん。

ミュージックに目が無くて、渋滞が大嫌いといった

なんだか人間臭い一面をもつこのキャラクター性があってこそ、

死を扱いながらも軽快に読破できる作品が出来上がるのでしょう。

死神なので繰り出す質問がずれていることが多いのですが、

それゆえに拙者たち人間が気にかけない本質を

問いただすようなものであったりもします。

したがって、この作品には伊坂節といいますか、

ついつい他人に教えたいような名言が数多く存在します。

気楽に読書するにはもってこいの作品ではないでしょうか。


影丸の一言:
一日が終わるのが最近はめちゃくちゃ早い気がします。
時間がもっとほしいというのはたぶん
拙者の人生の中で不変の願望でしょうね。