2025年9月14日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第623回です。
パレスティナ詠が俳句に1、短歌に1ありました。ウクライナ詠、反トランプ詠はありませんでした。後ろに掲げます。
【俳句】
開くとき・花の香りの・日傘かな (今治市 横田青天子)(小林貴子選)
(「花の香り」が「花の香り」だけではないところがみそ。)
落蝉や・楽に成るのは・あと少し (筑紫野市 二宮正博)(大串章選)
(「なる」が「成る」であるところに宗教性。)
しゃべれども・何も語っては・いない夏 (小平市 大和田清三)
(自分のことだろうか、他者のことだろうか?)
西瓜(すいか)描く・鮮やかにガザ・いのち在り
(東京都杉並区 漆川夕)(高山れおな選)
(パレスティナ詠。「西瓜」はパレスティナ旗と同色ゆえ、シンボルとなっているそうだ。知らなかった。)
【短歌】
去年まで・並び眺めし・子の部屋の・窓ひとりじめ・打上花火
(合志市 岩下早織)(永田和宏選)
(「窓ひとりじめ」が作者を浮かび上がらせた。)
その先へ・行つても行つても・果てはない・もどつておいで・「鬱」という孫
(生駒市 辻岡瑛雄)(川野里子選)
(じいちゃんに老後の平安あれ。)
大戦で・ホロコースト受けし・民族の・子孫が向かう・ヨルダン川西岸
(五所川原市 戸沢大二郎)(高野公彦選)
(パレスティナ詠)