2025年8月31日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第621回です。
ウクライナ、パレスティナ詠、反トランプ詠、短歌に2ありました。俳句にはありませんでした。後ろに掲げます。
【俳句】
荒神輿(あらみこし)・婦警の笛に・従ひぬ (尾張旭市 古賀勇理央)(大串章選)
(いいものを発見してくれて感謝。)
盆踊り・化粧直しの・喫茶店 (市川市 をがはまなぶ)(高山れおな選)
(あるお歳以上の方と見る。)
この世には・未練なき身に・日焼止め (八代市 吉原利津子)(長谷川櫂選)
(やはり未練はあるのだ。)
【短歌】
「生きるため・死体の上を・歩いたの」・ばあちゃんと僕が・出会えた理由
(筑後市 近藤史紀)(川野里子選)(永田和宏選)
(「出会えた」は「人格的に出会えた」という意味だろう。)
阿弖流為(アテルイ)は・己が足にて・陸奥(みちのく)ゆ・京まで歩きぬ・首刎(は)ねらるるため (多摩市 豊間根則道)(川野里子選)
(「阿弖流為」は大和に滅ぼされた蝦夷の長。長の持つ長たるプライド。)
かたちよく・亡き子の爪切り・その母は・通い慣れたる・病棟を去る
(三浦市 秦孝浩)(川野里子選)
(「振る舞い」というものの大切さを感じさせられる。)
百点の・答案用紙を・ざるにしき・とりのからあげ・あげているママ
(成田市 かとうゆみ)(川野里子選)
(冷静に考えてみると、あり得ないと思う。)
高層の・老人ホームの・裏に住み・老い五百余に・一度も逢はず
(浜松市 松井惠)(高野公彦選)
(これくらい、もはや不気味とは感じない。)
プーチンを・増長させた・トランプが・今更お怒り・いい加減にせよ
(さいたま市 井田大三郎)
(反トランプ詠)
報道が・途切れていれば・なお懸念・日常化した・破壊、殺戮
(東京都中野区 殿田清六)
(ウクライナ、パレスティナ詠)