2025年7月31日

 

 

 GPT(Generative Pre-trained Transformer)が既存の言語の大量学習を基礎として、すなわち既存の言語を前提として、メッセージ作成発出機能を発揮するものであることからすれば、既存の枠に捕らえられて、新しい概念の創出、新しい概念への命名をすることはできないのではないか、それこそ人間の知能と生成AIの本質的な違いなのではないか、という思い付きがあったので、チャットGPTにぶつけてみました。

 答は予想外のもので、新しい概念の創出について、限定的ではあるものの、完全に否定的ではなく、新しい概念への命名については、業界の儲け仕事と捉えられているためか、むしろ積極的にその能力の優れていることをアピールするものでした。

 ただし、もっと追求すれば、新しい概念の創出能力こそ人間の知能と生成AIの本質的違いであるということになるにちがいない、そして人類の発展の基礎中の基礎は人間の新しい概念の創出能力とその言語化能力であり、そのことによって可能となった人間間のコミュニケーションの飛躍的拡大による、と筆者は自分の思いつきに今のところこだわっています。

 

【こちらからの質問】

 チャットGPT(大規模言語システム)は新しい概念を創出することができますか?例えば、三角形という概念がない場合における三角形という概念の創出、例えば、兄弟愛という概念のない場合における兄弟愛という概念の創出、例えば封建制という概念がない場合における封建制という概念の創出。

 

【ChatGPTの答】

■ チャットGPTは「新しい概念」を創出できるか?

▼ 結論:

 理論的には限定的な形で可能ですが、「人間的意味での完全な創出」はできません。

▼ 背景:概念の創出とは何か?

 「概念の創出」とは単に新しい言葉を作るのではなく、以下を含みます:

 

世界の観察・経験に基づいた抽象化

既存の言語・文化体系にない構造の発見

他者に意味が通じる再現可能な構造の提示

 

 たとえば:

 

「三角形」=空間的図形を辺と角という抽象的な属性でとらえる構造概念

「兄弟愛」=血縁関係と感情的な結びつきの抽象化

「封建制」=土地と忠誠を媒介とした階層的社会制度の構造化

 

▼ GPTの能力は?

GPT(大規模言語モデル)は:

 訓練された膨大なテキストの統計的パターンに基づいて言語を生成、すでに人間が作り出した「概念の組み合わせ」「抽象構造」のパターンを再合成する能力に優れます

 

● つまり:

 GPTは「既存の概念を組み合わせて新しいように見える概念」を創り出すことはできます。

 

▼ では、質問に対して具体的にどうか?

1. 「三角形という概念がなかったら?」

→ GPTは「閉じた3本の直線からなる図形」のような定義を他の図形や幾何的構成の知識から推測して創出可能です。

 ただし、GPTの知識には幾何学の背景が含まれており、「三角形のない世界」を完全にシミュレーションするのは困難。

 

2. 「兄弟愛という概念がなかったら?」

→ 血縁・感情・共生などの概念を組み合わせて「そうした愛情の構造」を言語的に描写することは可能です。

 ただし、それが人間にとって「新たな本質的発見」になるかは、受け手の評価に依存します。

 

3. 「封建制という概念がなかったら?」

→ GPTは支配関係、土地の所有、忠誠関係といった関連概念をもとに「似た制度」を類比的に提案することは可能です。

 

▼ まとめ:GPTの創造力の限界と可能性

項目

GPTの能力

既存概念の再構成

◎ 得意(豊かな言語生成)

類推による仮説生成

◯ 可能(過去類似例の組合せ)

完全に新しい概念の創出

△ 限定的(人間の感覚・体験のないものは困難)

哲学的/本質的創造

✕ 基本的に非対応(人間の意識・意図が不可欠)

 

最後に:

GPTは新しい概念の「ようなもの」を作ることができますが、それが人間の知的創造と同じレベルかというと、現段階ではそうではありません。

しかし、人間の発想を刺激し、補助するツールとしては非常に強力です。

 

 

【こちらからの質問】

 「概念の創出」に「新しい言葉の付与(=新しい概念への命名)」を条件とした場合、GPTは「新しい言葉の付与(=新しい概念への命名)」をすることができますか?

 

【ChatGPTの答】

 

■ 結論:

 はい、GPTは「新しい概念」に対して新しい言葉を創出・命名することが可能です。

 ただし、その意味の確立や**社会的承認(定着)**には人間の関与が不可欠です。

 

▼ 前提となる理解:「概念の創出」と「命名」の違い

概念の創出:物事の共通構造や抽象的本質を捉えて意味づけする行為

命名(ラベリング):その概念に対して識別可能な言葉(記号)を与える行為

 

GPTは、既存の知識や語構造を利用して、

「何らかの新しい構造・仕組み・関係性に名前をつける」

という形の**言語的創出(ネーミング)**を行うことができます。

 

▼ GPTが新しい言葉を生み出す方法

1. 造語の原理に基づく言葉の生成

たとえば以下のような語形成を利用できます:

手法

 GPTで可能か

合成語(複数の語の結合)

兄弟 + 倫理 → 「兄倫」

派生語(接頭辞・接尾辞など)

テレ- + 愛 → 「テレフィリア」

借用語・語感模倣

ラテン語風、ギリシャ語風に命名

(例:ネオスフェア)  

完全な創作音(音感重視)

例:「ゾーラ」「カネヴァ」などの

意味のない音から概念に付与       

 

 

2. GPTによる例:新しい概念+命名

▼ 例1:「他人の悲しみを感じたとき、無意識に背中が震える現象」

GPTによる命名案:

 

「ソマシンパシー」(身体的共感:somatic + sympathy)

「ヒカンブル」(悲感 + tremble)

「哀反応(あいはんのう)」(和語ベース)

 

▼ 例2:「関係性があるように見えて、実は全く無関係なことの偶然の一致」

GPTによる命名案:

 

「コインシデノミー」(coincidence + anomaly)

「見縁(けんえん)」(見せかけの縁)

 

▼ GPTによる命名の限界

 

項目

説明

意図の創出

GPTは「なぜその言葉がふさわしいか」という動機付けを説明することが可能ですが、

意図は人間が評価する必要があります。

定着性

作られた語が社会や文化の中で流通・定着するかはGPTには制御できません。

意味の深さ

哲学的・心理的・身体感覚に深く根差した言葉には、人間の経験と文脈が不可欠です。

 

▼ GPTの創出力の本質とは?

GPTは、言語的創造(ネーミング)において非常に優秀な補助ツールです。

特に、以下のような場面で力を発揮します:

 

新しい製品やサービスの命名

フィクションや物語における架空の用語づくり

哲学的・感情的な新しい現象へのラベル付け

 

■まとめ

項目

可否

解説

新しい言葉を作る

可能

語構成、音感、意味づけを駆使して命名できる

その言葉に意味を与える

条件付き可能

他の言葉や比喩で説明可能

社会に広める/定着させる 

不可

(人間が必要)

GPTは文化的コンテキストを生きていないため