2025年7月20日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第616回です。

 パレスティナ詠、ウクライナ詠、反トランプ詠が短歌に3、俳句に3ありました。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

朝顔市・浴衣に覗(のぞ)く・タトゥーかな (国分寺市 毛利親雄)(大串章選)

 

 

(そろそろタトウーに市民権を与えてもいい時期を迎えている。)

 

 

店で見て・買うことにした・いいスイカ (藤沢市 さとうゆか)(高山れおな選)

 

 

(作者は小2とのこと。この一句で家族のことが多く語られている。)

 

 

まき散らす・瘴気にむせる・選挙かな (川崎市 押田三枝)

 

 

(ほとんどヘイトと言うべきことが、ためらいなく演説されている。)

  

 

排外の・日本に向かふ・溽暑(じょくしょ)かな (さいたま市 田村尚一)

 

 

(不快の夏に加わる不快。)

 

 

ミニ・トランプ、ハゲ・トランプがいる、夏選挙 (東大阪市 仙田一輝)

 

 

(反トランプ詠でもある句。なぜ世界的に同時多発するのであろうか?)

 

 

夏草や・何でもありの・独裁者 (福島県伊達市 佐藤茂)(長谷川櫂選)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

暴虐の・鎖断ち得ず・半夏生 (岡崎市 兼松正直)(小林貴子選)

 

 

(パレスティナ、ウクライナ詠)

 

 

【短歌】

 

 

観音の・細き手首に・うつすらと・躊躇(ためら)ひ傷の・やうな接ぎ痕(あと) 

                      (宇治市 濱岡学)(永田和宏選)

 

 

(見える人にしか見えないこと。)

 

 

混沌と・対峙あたわず・右翼党・幻想日本に・すがりつきおり

                          (札幌市 村田慎二)

 

 

(「排外民族主義」は知的怠惰・知的怠慢の産物という指摘、重要。)

 

 

ガザの子と・俺の裸は・よく似てる・食べたいけれど・食べられないのだ 

                    (富士宮市 脇本俊雄)(川野里子選)

 

 

(パレスティナ詠)

 

 

被爆者と・ハグしたオバマ・原爆に・意味があったと・語るトランプ 

                    (観音寺市 篠原俊則)(高野公彦選)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

飢えさせて・食糧送り・寄り来たる・無辜(むこ)の民撃つ・ネタニヤフ軍 

                    (多摩市 田中久幸)(高野公彦選)

 

 

(パレスティナ詠)