2025年5月18日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第607回です。

 パレスティナ、ウクライナ詠、反トランプ詠は、俳句に1、短歌に4、ありました。

 後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

大欅(けやき)・街一新の・芽吹きかな (川崎市 吉田泰子)(大串章選)

 

 

(「街一新」がその規模を感じさせる。)

 

 

幼子の・土筆摘みては・振り返る (相模原市 はやし央)(大串章選)

 

 

(「やったね」「すごい」の評価がほしいのは、大人も子どももいっしょ。)

 

 

だかれたくて・抱かれない子の・田螺(たにし)かな 

                (川崎市 塩谷我呼)(高山れおな選)

 

 

(「田螺かな」、何となくわかる。)

 

 

春愁や・プーチンがゐて・トランプも (柏市 小畑昌司)(長谷川櫂選)

 

 

(ウクライナ詠、反トランプ詠)

 

 

【短歌】

 

 

日本の・戦史を死者に・語らせる・遊就館を・訪えば疲れる 

                  (東京都 野上卓)(佐佐木幸綱選)

 

 

(「疲れる」という語で精一杯の抵抗。)

 

 

減反で・そもそも米が・無いのだと・薄々気づく・五キロ五千円 

                  (相模原市 石井裕乃)(高野公彦選)

 

 

(こういう根拠乏しい雰囲気が不足感を煽り、高値を支えてしまうのだ。)

 

 

食品の・みな値を上ぐる・春なれば・ドーナツの穴の・大きくなりぬ 

                 (さいたま市 松田典子)(川野里子選)

 

 

(もっともらしいが事実だろうか?)

 

 

深い息で・北条民雄を・読み終える・トランプトランプと・騒がしい世に 

                  (浦安市 中井周防)(佐佐木幸綱選)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

オオタニが・トランプと握手す・オオタニが・したかったとは・思いたくない 

                  (水戸市 中原千絵子)(永田和宏選)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

ガザの子と・目が合い涙・みちくれば・表面張力で・しばし耐えいる 

                 (アメリカ 大竹幾久子)(川野里子選)

 

 

(パレスティナ詠)

 

 

ますらをよ・大和魂・知らしめよ・PKOに・馳せ参ずべし

                   (熊本市 仙田雄二)

 

 

(パレスティナ、ウクライナ詠)