2025年4月13日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第603回です。
パレスティナ、ウクライナ詠、反トランプ詠は、俳句に4、短歌に5、ありました。後ろに掲げます。
【俳句】
焦がすなは・独り言なり・目刺焼く (和歌山県由良町 藤田昌幸)(小林貴子選)
(男の台所。)
共に居て・心通わぬ・春炬燵 (さいたま市 笹川たか子)(小林貴子選)
(暖かくて冷たいというおもしろさ。)
児(こ)らみんな・可愛い仏・甘茶仏 (福岡県鞍手町 松野賢珠)(高山れおな選)
(ふしぎな行事が続いているのは可愛さゆえか。)
花冷(はなびえ)の・ゼレンスキーの・強さこそ (尼崎市 田中節夫)(長谷川櫂選)
(ウクライナ詠)
春泥の・道を兵士は・今もなほ (札幌市 伊藤哲)(高山れおな選)
(ウクライナ詠)
物の怪の・憑きしトランプ・目覚めなし (弘前市 田子三彦)
(反トランプ詠)
トランプの・藁(わら)の形代(かたしろ)・五寸釘 (舞鶴市 村田健五)
(反トランプ詠)
【短歌】
春浅き・ヨコハマに灯は・今宵なほ・青く揺れをり・あゆみさん逝く
(市川市 一之瀬朗)(高野公彦選)
(「ブルーライト・ヨコハマ」。)
校門で・六年生を・見送った・五年生全員・泣いていた
(奈良市 山添聡介)(高野公彦選)
(たぶんめずらしいことだろうが、感激的。)
星月夜・木立のピンに・留められし・鯨のごとき・古墳蠢(うごめ)く
(小山市 多田木まさのり)(川野里子選)
(やはり墓だからだろうか、古墳の不気味さ。)
四島を・奪われ手だて・なきままに・八十年過ぐ・今ウクライナ
(岩出市 明治むつみ)(高野公彦選)
(ウクライナ詠)
安青錦(あおにしき)・応援しつつ・夕飯の・紅鮭見れば・ロシア産なり
(相模原市 石井裕乃)(高野公彦選)
(ウクライナ詠(注:安青錦はウクライナ出身力士))
乱心の・殿を諫めず・喝采す・然(さ)なる思いに・画面観ており
(舞鶴市 吉富憲治)(永田和宏選)
(反トランプ詠)
文末に・もうムハンマド・マンスールの・名の見あたらぬ・ガザよりの記事
(和泉市 星田美紀)(永田和宏選)
(パレスティナ詠)
反米の・論より証拠・トランプの・能なきタカの・出し過ぎのツメ
(岩国市 下田憲二)
(反トランプ詠)