2025年3月16日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第599回です。

 パレスティナ、ウクライナ詠、反トランプ詠は、俳句に3、短歌に4、ありました。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

冱(い)て返る・我々でなく・我で居る 

            (新潟市 八木昂人)(小林貴子選)(長谷川櫂選)

 

 

(たぶん今の世の中ではほとんどいなくなった強い人。)

 

 

会釈され・はたと我あり・春の暮 (東京都足立区 望月清彦)(長谷川櫂選)

 

 

(何を思っていたのか、それもわからぬ春愁。)

 

 

雛(ひな)飾る・小さき家の・ちさき棚 (静岡県河津町 岩城紀子)(大串章選)

 

 

(うれしくて、悲しい。)

 

 

春愁や・又も現る・独裁者  (福島県塙町 安部みさ子)(長谷川櫂選)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

自己顕示の・ためだけで回す・地球かな (サンフランシスコ 太田光一郎)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

非難する・言葉も尽きる・トランプ世(ゆ) (神戸市 沢田信三)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

【短歌】

 

 

近づくと・大きく口開け・威嚇する・アメリカ生まれの・アカミミガメは 

                  (神戸市 前田素代)(永田和宏選)

 

 

(これは反トランプ詠なのかもしれない。)

 

 

轢(ひ)かれたる・狸の体・こんもりと・白き小山に・雪降り止まず 

                 (鳥取市 山本憲二郎)(馬場あき子選)

 

 

(非人為の葬送。)

 

 

戦禍にも・書店増えゆく・ウクライナ・心の支え・求めるように 

                 (中津市 瀬口美子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

万国公法・あるのを知らぬ・指導者が・アメリカ牛耳る・恐ろしきかな 

                         (奈良市 吉田恵五)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

むずかしき・シチュエーションを・自らが・作って怒る・トランプ芝居 

                         (相模原市 田崎七重)

 

 

(反トランプ詠)

 

 

トランプの・如きは我ら・老いさきの・短き者の・昼酒のあて

                         (寝屋川市 新田五郎)

 

 

(反トランプ詠)