2025年1月28日

 

 定例より遅れましたが、朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、

第592回です。

 ウクライナ詠パレスティナ詠、歌壇に1首、俳壇にはありませんでした。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

トランプと・取引近し・戎笹(えびすざさ) (川崎市 多田敬)(小林貴子選)

 

 

(トランプを戎(えびす)と蔑むセンスがうれしい。)

 

 

孫も子も・帰らぬ里の・初景色 (羽曳野市 菊川善博)(長谷川櫂選)

 

 

(感情生活に「家族」が大きなウエイトを占めてしまうという人類の「病」の克服には千年、いや万年単位の時間を要するであろう。そして克服されるであろう。)

 

 

白寿翁・なほも気魄の・年賀状 (相模原市 今井雅裕)(大串章選)

 

 

(どんなところに気魄を見せたのだろうか、気になる。)

 

 

大寒の・大統領と・なりにけり (八王子市 額田浩文)(高山れおな選)

 

 

(まさかのアメリカ国民の選択に震えあがらざるを得ず。)

 

 

【短歌】

 

 

人生で・一番良かった・こと問われ・「終戦」と言う・百寿者あまた 

                 (久留米市 塚本恭子)(馬場あき子選)

 

 

(いかに「戦中」がこどもたちに悲惨であったかということ。その悲惨が十分に語られていない。)

 

 

代代の・屋号で呼びし・近隣も・空き地となれり・ふるさとの町 

                   (仙台市 沼沢修)(馬場あき子選)

 

 

(産業構造の変化の無慈悲は、人間社会のことなのに誰も止めることが出来ない。)

 

 

世界には・飢ゑたる人の・あまたあるを・説きつつ子らに・お年玉与ふ 

                    (朝霞市 岩部博道)(高野公彦選)

 

 

(十分に危機感を伝えられないというもどかしさ。)

 

 

「私は・なぜここにいるのか」・極寒の・ロシアの地を這う・北朝鮮兵士 

                      (横浜市 森秀人)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠)