2025年1月19日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第590回です。

 ウクライナ詠パレスティナ詠、歌壇に2首、俳壇に1句ありました。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

小春日や・千の手ゆるむ・菩薩像 (広島市 越智隆義)(長谷川櫂選)

 

 

(超越的存在との距離感のなさ。いいことか悪いことかはわからないが。)

 

 

村里に・けもの放ちて・山眠る (奈良市 田村英一)(大串章選)

 

 

(あれは人間に対する反感だという理解。)

 

 

戦にも・慣れてしまふか・屋根の雪 (新潟市 齋藤達也)(長谷川櫂選)

 

 

(パレスティナ、ウクライナ詠、と選者はしている。どうか?)

 

 

【短歌】

 

 

歴史的・再起の喜び・相伴す・大照ノ富士・遂に隠退 (松江市 松田泰三)

 

 

(序二段までの転落を共にしたファンにとってみれば、再起の喜びは格別であった。)

 

 

戦乱と・飢餓と差別と・貧困の・世にインテリの・徒食悲しも

                         (東京都 内田精一)

 

 

(インテリという階層は「大衆」に呑み込まれ消滅しつつある。)

 

 

ボルシチを・作りソ連を・懐かしむ・モスクワの友・ドネツクの友 

                  (旭川市 齊藤洋子)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

日暮れても・寒さしのぎて・ボール蹴る・裸足のままの・ガザの子供ら 

                  (中津市 瀬口美子)(馬場あき子選)

 

 

(パレスティナ詠)