2024年12月29日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第588回です。
ウクライナ詠パレスティナ詠にシリア詠を加えて歌壇に5首、俳壇にはありませんでした。後ろに掲げます。
【俳句】
返り花・戦争知らぬ・古希と喜寿 (対馬市 神宮斉之)(大串章選)
(古希も喜寿も老成に遠し。)
年の瀬や・教へ子と云ふ・人に逢ふ (名古屋市 池内真澄)(大串章選)
(教え子にとっては恩師に覚えていてほしい。)
着ぶくれて・あの偉丈夫も・背に老いが (太田市 吉部修一)(高山れおな選)
(外見を気にするエネルギーが失われ、それが姿に映じる。)
【短歌】
猫までも・痩せてやつれた・ガザの街・食われることなく・生き延びている
(五所川原市 戸沢大二郎)(馬場あき子選)
(パレスティナ詠)
もしピカソ・現世に居たら・きっと描く・向日葵畑・潰す戦車を
(越谷市 小田毬藻)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠。)
脱走の・北朝鮮兵の・その後を・思えば闇の・曠野浮かび来
(一宮市 園部洋子)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠)
しわ深き・シリア難民・テントしか・知らぬ孫こそ・不憫と語る
(中津市 瀬口美子)(永田和宏選)
(シリア詠)
独裁者・いくつ機内に・トランクを・積んで逃げたか・宮殿残し
(三鷹市 大谷トミ子)(永田和宏選)
(シリア詠)