2024年12月22日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第587回です。
ウクライナ詠パレスティナ詠は歌壇に1首、俳壇にはありませんでした。
【俳句】
どことなく・慈悲に満ちたる・鯨の目 (鹿沼市 鹿沼湖)(小林貴子選)
(救いがたしとする憐みの目のような気がする。)
息白し・紙むきがたき・シガーチョコ (別府市 樋園和仁)(小林貴子選)
(ありましたね。偽の、低級品チョコでした。)
金箔に・包みこまるる・日向ぼこ (甲府市 村田一広)(長谷川櫂選)
(「日向ぼこ」の表現の最高級。)
【短歌】
最終の・船の着くのは・夜の九時・岬まわる灯・背伸びして見る
(江田島市 和田紀元)(永田和宏選)
(乗っていなければ今夜は帰ってこない、などと読むのは携帯のなかった一時代前のことか?)
いつの日か・人類亡ぶ・日の来るとも・静かに残る・この冬銀河
(岡山市 山本泰)(馬場あき子選)
(銀河もまた消滅することが科学的に明らかになっている。そのように見ての感慨もある。)
パンを乞う・ガザの人びとの・塊の・なかの二人の・少女の圧死
(観音寺市 篠原俊則)(永田和宏選)
(パレスティナ詠)