2024年11月17日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第582回です。
ウクライナ詠パレスティナ詠は歌壇に1首、俳壇にはありませんでした。後ろに掲げます。
【俳句】
波平は・不老不死なり・赤まんま (橿原市 上田義明)(高山れおな選)
(波平はすでにはじめから「老」なのではないか。)
鯛焼を・食(は)み鯛焼きを・売るバイト
(市川市 をがはまなぶ)(高山れおな選)
(商売ものに手を出す若者、昔なら叱り飛ばされていただろう。)
逝く秋や・愚行の如く・投句せり (我孫子市 藤崎幸恵)(高山れおな選)
(「逝く」に驚かされるが、「逝く秋」と「行く秋」、「愚行」と「投句」に遊びもあるような。)
何しても・おもしろさうな・秋の空 (兵庫県多可町 松下孝裕)(小林貴子選)
(秋の空を最高に称える句。)
不条理は・世になきやうな・良夜かな (石川県能登町 瀧上裕幸)(小林貴子選)
(不条理下の良夜、これこそが人間を弄ぶ神の真の不条理。)
酒好きに・古酒も新酒も・なかりけり (神戸市 岸下庄二)(大串章選)
(泥酔系吞兵衛派としては賛成。)
【短歌】
映画館・銭湯、駄菓子屋・鶏舎消え・虚しき言葉・「地方創生」
(観音寺市 篠原俊則)(高野公彦選)
(スローガンだけで本気度に欠けていること、顕わ。アリバイ的に金が散布されるだけ。)
このバスに・今乗り居るを・家族らの・誰も知らぬと・ふと思いたる
(横須賀市 阿部文彦)(永田和宏選)
(そのバスは何処へ行くバスなのだろう。)
もっともっと・殺しまっせと・ネタニヤフ・いのちを商う・ごとくに言えり
(水戸市 中原千絵子)(高野公彦選)
(パレスティナ詠)