2024年9月1日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第571回です。
ウクライナ詠パレスティナ詠は歌壇に2首、俳壇にはありませんでした。後ろに掲げます。
【俳句】
雄叫びが・飛ぶ汗が飛ぶ・槍が飛ぶ (太田市 吉部修一)(小林貴子選)
(北口榛花選手、「雄叫び」ではなく「雌叫び」ですね。)
通信簿・へらへら仕舞ひ・夏休み (越谷市 金田あわ)(小林貴子選)
(旧仮名遣いから作者の思ひ出と思われる。「へらへら」まことに的確。あんなものに権威はなかった。)
戦争を・是とせし民や・敗戦忌 (長崎市 下道信雄)(長谷川櫂選)
(作者は「是とせし国や」の句も投稿していたらしい。俳句の世界とはいえ、そういうあいまいさはよろしくない!)
遠山の・容(かたち)したしき・墓参かな(岡谷市 大島弘人)(高山れおな選)
(変化激しきふるさとで、変わらぬものは「遠山の容」。)
かとりせんこ・けふはけむりが・よくあがる (姫路市 壁田利一郎)
(湿度が低いのでしょうか。)
【短歌】
四十度を・超える溽暑(じょくしょ)の・地に堕ちた・蝙蝠(こうもり)へやる・水筒の水 (浜松市 尾内甲太郎)(馬場あき子選)
(蝙蝠も暑さで堕ちたと思ってしまう「人間中心主義」がおもしろい。)
通夜の席・遺体を引っぱり・出してきて・一緒に酒飲む・奇習ありとか
(青森市 久田辰二)
(アイルランドのことらしい。同じことをやれますかね?)
ふるさとを・離れて暮らす・身となりて・旧友逝けど・弔いにも出ず
(大阪市 田保真一)
(そういう時代となりました。)
台風の・前触れの雨・一時止み・知ってか知らずか・虫のよく鳴く
(八尾市 小田浩二)
(虫によるのか、人によるのか?)
薄明に・歌うが如き・鳥のあり・あの尾の振りは・百舌鳥(もず)ではないか
(呉市 岩田三喜子)
(鳥の名を確かめ合う機会というのは案外少ない。)
養蜂家への・支援にもなる・ウクライナの・ひまわりの蜜の・あまさせつなし
(盛岡市 山内仁子)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠)
ミサイルも・砲弾も飛ばぬ・セーヌ川・トリコロールの・花火が上がる
(観音寺市 篠原俊則)(高野公彦選)
(ウクライナ、パレスティナ詠)