2024年8月25日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第570回です。
ウクライナ詠パレスティナ詠は歌壇にも俳壇にもありませんでした。遺憾です。
【俳句】
蝶々の・出会ひはしやぐや・雨上がり (西海市 前田一草)(長谷川櫂選)
(俳句短歌すべてに通じることだが、自然詠は良し、人事詠はつまらぬもの多し。)
緑蔭に・臨時停車の・縄電車 (伊丹市 保理江順子)(大串章選)
(現代のことだろうか?電車ごっこ、ずーっと見たことがない。)
アサガオに・カエル 出来過ぎ・詠み惑ふ(大津市 石田宏二)
(天の配剤のありがたけれど。)
遠雷も・降ってまでくれぬ・日照りかな (玉野市 荒田一松)
(天の配剤のあとひとつなり。)
ひと雨で・鳴くこおろぎの・急に増え (瀬戸内市 笠田二郎)
(こおろぎも待っていた雨。)
【短歌】
野良猫が・仔猫三匹・連れてゆく・広き地球の・ほんの一隅
(岐阜市 後藤進)(永田和宏選)
(我々人間とて大同小異。)
雨蛙・庭にたたきに・やわらかき・命の音符と・なりて跳ねいる
(伊賀市 芝田洋子)(佐佐木幸綱選)
(小動物の無心の動きに癒される日々。)
暑さ負け・しない連中・集まれり・百日紅(さるすべり)燃え・はしゃぐ虫たち
(古賀市 会田直二)
(暑さ負けしない一首と讃えたい。)
すれ違い・こちらクロール・少女、平(ひら)・蹴られて嬉し・余生(のこり)わずかに (高松市 小田信一)
(その経験、うらやましく、また悲しい。)