2024年8月4日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第568回です。
ウクライナ詠パレスティナ詠は歌壇にも俳壇にもありませんでした。選者の選択の結果なのでしょう。
【俳句】
逝く時の・炎の如し・夕焼雲(ゆやけぐも) (柏市 藤嶋務)(大串章選)
(この世ならぬ空。)
知合(しりあ)ひは・あの世に多し・虹立てり (長野市 縣展子)(大串章選)
(虹もまたこの世ならぬものを感じさせる。)
ヘリコプター・大暑の空を・攪拌す
(群馬県みなかみ町 長浜利子)(高山れおな選)
(嫌われ者のヘリコプター。)
何となく・宇宙に対(むか)ふ・端居(はしい)かな
(堺市 吉田敦子)(小林貴子選)
(ひとりということがポイント。「端居」:家の端近く出ていること。縁側などにいること。)
スナックの・ママの名刺が・黴(か)びてをり
(苫小牧市 齊藤まさし)(小林貴子選)
(小説的世界。)
赤道の・北上ではと・小学生 (仙台市 田浦三樹夫)
(なるほど、りっぱなまちがい。)
無為に道・ありと教える・酷暑かな (広島市 小田辺三郎)
(弟子「暑くて暑くて、何も出来ません」、師「それこそ修行なのだ」。)
この暑さ・日本はアジアの・仲間なり (久喜市 大和田真二)
(吉田茂(元首相)は高温のため東南アジアは経済成長は無理だと言っていた。(外れた。))
【短歌】
なし。なしはなしで事件である。