2024年7月28日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第567回です。

 ウクライナ詠が歌壇に1首、俳壇に1句ありました。後ろに掲げます。

 

 【俳句】

 

咲き切れば・後は好き好き・凌霄花(のうぜんか) 

                    (本巣市 清水宏晏)(小林貴子選)

 

 

(凌霄花、ノウゼンカヅラとも呼ぶ。確かに「なげやり」な感じの咲き方をする。「凌霄花・炎暑に強い・女なり」)

 

 

夏草や・いのちの星の・成れの果て (福島県伊達市 佐藤茂)(長谷川櫂選)

 

 

(選評では「夏草よ、茂れ」とあり、夏草を肯定的に捉えているが、「混乱」「無秩序」「荒廃」とも捉えられる。作者の意図はいずれに?)

 

 

来し方を・語らぬ人と・ゐて涼し (柏市 物江里人)(大串章選)

 

 

(逆に言うと、来し方をくどくど語る人は、暑苦しいということだ。)

 

 

向日葵(ひまわり)や・瓦礫に泣く子・また映り

                  (加古川市 池田秀昌)(大串章選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

【短歌】

 

 

バイデンを・失いトランプ・支えなく・老いぼれ爺(じじい)の・役回りとなる 

                      (東京都荒川区 菅田三二郎)

 

 

(トランプの勢いの急衰、世界平和のために誠に目出たい!)

 

 

憂き世とは・浮世が作った・メタバース・激しかれとは・祈らぬものを 

                          (高崎市 田熊礼二)

 

 

(本歌取り!ヴァーチャルとリアルの境目がわからなくなる。そもそもリアルって何か?所詮、幻ではないか?)

 

 

二週間・生き延びられたら・偉業だと・ロシアの突撃・兵は言いたり 

                  (観音寺市 篠原俊則)(馬場あき子選)

 

 

(ウクライナ詠)