2024年7月14日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第565回です。
ウクライナ詠・パレスティナ詠が歌壇に3首、俳壇に2句ありました。後ろに掲げます。
【俳句】
形代(かたしろ)の・己のとけて・涼しけれ
(東京都江東区 小出功)(長谷川櫂選)
(「無我の境地」への到達ということ?)
凌霄花(ノウゼンカヅラ)・炎暑に強い・女かな (大阪市 八田一美)
(なるほど、同意。)
蚊取線香(きんちょう)を・点けて裸に・なりにけり (青梅市 保田京二)
(「金鳥の夏 日本の夏」!)
向日葵(ひまわり)の・かくも明るき・地雷原
(ウクライナ詠。)
戦火まだ・この星燃やす・沖縄忌 (大和市 岩下正文)(高山れおな選)
(ウクライナ・パレスティナ詠。)
【短歌】
ためいきを・こぼしてしまった・雨の日に・床にくまなく・かける掃除機
(和泉市 星田美紀)(永田和宏選)
(日常性と非日常性の微妙な接点。)
戦争を・知らない世代と・いう我ら・核兵器なき・世界も知らず
(さいたま市 鈴木俊恵)(馬場あき子選)
(事実はそのとおりなのだが、そのことで何を言おうとしているのだろうか?)
死んでいる・オニヤンマ囲む・通学児ら・大人入らず・語り合いたり
(彦根市 福田三男)
(実体験が子どもたちを賢くする。)
炎天下・老人ひとり・防波堤・熱中症の・騒ぎを嗤う
(備前市 古田虎二)
(老人があざけっているのは、熱中症騒ぎだけではないだろう。)
大国の・轟沈しつつ・あるを見て・運命共に・するのかと思ふ
(千代田区 奥田光三)
(政府中枢は選択肢を考えていないように見える。)
人質の・四人を救出・するために・二百七十・四人を殺す
(観音寺市 篠原俊則)(永田和宏選)
(パレスティナ詠。)
戦えば・必ず人が・死ぬことを・知ってもやめぬ・ホモ・サピエンス
(筑紫野市 桂仁徳)(永田和宏選)
(ウクライナ、パレスティナ詠)
古い古い・日本の織機が・ガザで織った・ラストカフィーヤ・我が胸に抱く
(東京都 岩下章)(馬場あき子選)
(パレスティナ詠)