2024年6月23日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第562回です。

 ウクライナ詠・パレスティナ詠が歌壇に5首、俳壇にはありませんでした。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

豹柄は・変へずに伯母の・更衣(ころもがえ)

                  (川口市 知念哲夫)(高山れおな選)

 

 

(豹柄は主張だから。)

 

 

【短歌】

 

 

夕日さし・輝く二十・五メートル・両手で光・つかんで泳ぐ 

                  (稲沢市 山田真人)(馬場あき子選)

 

 

(同じ泳ぐ人として共感。)

 

 

あさがおの・観察日記の・はじまりに・小一の子らは・種の絵を描く 

                  (仙台市 小室寿子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(無用の考えをもたないというこどものすばらしさ。)

 

 

長き日々・待てど空しく・老い迫る・時代はジャンヌを・呼ばず過ぎ行く 

                        (郡山市 赤田八洲子)

 

 

(昭和女子に、このような女傑候補生が数多く潜在していたことが忘れられてしまわないように。)

 

 

降らねども・灰白の空に・覆われて・ニュース待たずに・梅雨入りとす 

                         (備前市 田野鶴五郎)

 

 

(梅雨入りの遅い本年の特殊な短歌か?)

 

 

戦争は・始めるよりは・止めるのが・難しいのだ・プーチン、ネタニヤフ 

                 (船橋市 佐々木美彌子)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ・パレスティナ詠。)

 

 

戦争を・はじめる人は・戦地へは・行かない 死なない・だからやめない 

                   (萩市 石飛加名子)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ・パレスティナ詠。)

 

 

ラファを去る・姉妹は口を・一文字に・結んでペットの・鳥を逃がしぬ 

           (横浜市 竹中庸之助)(高野公彦選)(永田和宏選)

 

 

(パレスティナ詠。)

 

 

「死者」なんて・たやすく呼ぶな・ガザの子は・死んだんじゃない・殺されたのだ 

                    (佐野市 阿部忠雄)(永田和宏選)

 

 

(パレスティナ詠。)

 

 

ハマス、ガザ・帝国陸軍・沖縄戦・止もう得ずとす・同胞の惨 

                      (東京都江東区 塚田一孝)

   

 

(パレスティナ詠)