2024年5月19日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第557回です。

 ウクライナ詠、パレスティナ詠が歌壇に3首、俳壇にはありませんでした。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

駄句も又・生きてる証(あかし)・花は葉に (長野市 縣展子)(大串章選)

 

 

(作句の半分以上は自分の確認ためと言えそうだ。)

 

 

増水に・気付かぬ岸田の・稲穂かな (新潟市 田保四郎)

   

 

(危険水域と言われているのに、平時の作業が続いている。凶作必至。)

 

 

【短歌】

 

 

死んでいる・ダンゴムシの足・ひとつひとつにも・春のひかりは・差しておりたり 

                     (仙台市 小室寿子)(永田和宏選)

 

 

(ひかりは万物を生み育てるのみならず、万物を弔うものなのだ。)

 

 

ままならぬ・平場のことは・ままならぬ・夢まぼろしに・浮かぶればよし 

                          (川崎市 中田健五)

 

 

(ストーカー防止キャンペーンに使える。)

 

 

唐突に・馬鹿ネェと肩を・たたかれて・考えられて・いたのだと知る 

                         (堺市 吉田竹二)

 

 

(「考えられる」という言葉の微妙。) 

 

 

青年に・代わりて決行・七十一・勇ましきかな・中欧の爺 

                       (鳥取市 荏子田哲二)

 

 

(スロベニア首相襲撃犯、ある意味では高齢者の模範。)

 

 

「プーチ・ダモイ」の・スカーフ巻いて・立ちつくす・寒いロシアの・妻や母たち 

                   (生駒市 辻岡瑛雄)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。「プーチ・ダモイ」とはロシア語で「家への路」の意だそうだ。)

 

 

閘門に・吹き寄せられた・花筏・逃げる場所無き・ガザの人らは

                   (岡山市 三好英男)(高野公彦選)

 

 

(パレスティナ詠)

 

 

「ガザに平和を」・「いのちをまもれ」の・声をあぐ・デモ行進の・最後尾にゐて 

                  (札幌市 藤林正則)(馬場あき子選)

 

 

(パレスティナ詠)