2024年5月12日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第556回です。

 ウクライナ詠、パレスティナ詠が歌壇に2首、俳壇に3句ありました。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

人の句に・心うるほす・花の昼 (玉野市 北村和枝)(長谷川櫂選)

 

 

(人の句に気づかされることの多き。)

 

 

菜の花や・村に七つの・沈下橋 (川崎市 多田敬)(大串章選)

 

 

(車の通行少なく、ゆったりとした時間が流れる村。)

 

 

シャボン玉・身をくねらせて・ふくれけり (茅ヶ崎市 藤田修)(高山れおな選)

 

 

(言われて気づくシャボン玉の媚態。)

 

 

つばくろは・これ見よがしに・飛び来(きた)る (大村市 塩田泰二郎)

 

 

(たしかにツバメの飛び方には意識的なところが感じられる。)

 

 

恐ろしき・花びら地雷・春寒し (伊賀市 福沢義男)(長谷川櫂選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

戦争や・足ひきずつて・春ゆけり (横浜市 三玉一郎)(長谷川櫂選)

 

 

(パレスティナ、ウクライナ詠)

 

 

日本中・さくらさくらや・外に戦 (海南市 楠木たけし)(長谷川櫂選)

 

 

(パレスティナ、ウクライナ詠)

 

 

【短歌】

 

 

俺は俺は・俺を一番・欺きし・オレオレ詐欺は・俺なるを知る 

                       (東京都 豊田一徳)

 

 

(後期高齢的境地なのだろうか。)

 

 

政策に・ムチを使えぬ・民主主義・自ずと至る・温室社会 

                      (名古屋市 植田喜三生)

 

 

(リフレ派を見事にやっつけている。)

 

 

人は皆・自ら飛び込む・夏の虫・天網恢恢・漏れなき所以 

                      (徳島市 田添耕一)

  

 

(なるほど、理論的に成立する。)

 

 

今さらに・やっつけるのも・忍びなし・同じ高齢・後期の阿呆 

                      (大阪市 百田五朗)

 

 

(相手からもそう思われているかもしれない。)

 

 

ウクライナの・ヒマワリの種も・祝福に・やくだつことを・ねがっていたはず

                  (盛岡市 山内仁子)(馬場あき子選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

パレスチナ・支援のバッジ・三百円・さくらまつりの・出店に並ぶ 

                   (松戸市 渡辺道子)(高野公彦選)

 

 

(パレスティナ詠)