2024年3月28日
自民党組織的裏金作り問題、安倍元首相の中止決定の尊重論もある中で、それを覆す決定ができるのは、これまでも森元首相以外には考えにくいとされてきたところだが、ついに安倍派幹部の証言が出るところまで到達した。
森元首相への配慮によって曖昧な証言を繰り返していた安倍派幹部も、このままでは自分の党内処分が軽くは済まないという状況を迎えて、森元首相のために自分の政治生命を捨てるわけにはいかないという判断をせざるを得ないところに追い込まれたのだ。(その安倍派幹部が4人のうち誰なのか、それは大した問題ではなかろう。)
事態の解明という意味では、裏金を得ていた一般議員を仕分けること~すなわち違法意識のもとで裏金メリットを大いに享受していた者(たぶん森元首相にキックバックの継続を直訴していた者でもあろう)、違法意識のもとで裏金に抑制的対応をしていた者、まったく違法意識がなくただ派閥からの指導に従っていたのんき者等の仕分け~が残っている。
自分の選挙区の議員がこの仕分けのどこに属することになるか、それを選挙民に明らかにすることは自民党の党としての責任である。
しかし、該当する安倍派議員を自分の選挙区にもっていない国民一般にとっては、この際野次馬的興味は控えることとすれば、その仕分けは自民党内においてよろしく処理してもらえばそれでよしとしてもいいレベルのことであろう。(もちろん、厳密に言えばそれで許されることではないが、司法においても公民権停止を要する者と判断しなかったという事実があり、そこにゆだねるという判断もあり得よう。)
国民一般にとっては、今後若干の紆余曲折はあろうとも、これで隠然たる力を行使していた森元首相の政治生命は完全に断たれることになった。(そして、安倍派5人衆に数えられ、その中で森元首相といちばんベッタリだったにもかかわらず、政倫審等での説明を免れていた萩生田光一元政調会長もただでは済むまい。)
巨悪を眠らせることがなかったという意味で、まずは慶賀することとしたい。