2024年3月24日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第550回です。
ウクライナ詠、パレスティナ詠が歌壇に2首、俳壇に3句ありました。後ろに掲げます。
【俳句】
酒強き・友はみな死に・春の星 (長崎県小値賀町 中上庄一郎)(長谷川櫂選)
(その傾向があるとすると小生は危ない。)
春雷の・ごとく現る・ウイルス詐欺 (宇都宮市 藤田三郎)
(けたたましく、ウイルスに感染しましたと告げるあの詐欺には度肝を抜かれる。)
独裁の・なんでもありの・寒さかな (福島県伊達市 佐藤茂)(小林貴子選)
(プーチンのことと解釈して、ウクライナ詠。)
ナワリヌイの・獄死に偲ぶ・多喜二の忌 (三木市 矢野義信)(小林貴子選)
(ナワリヌイ氏を扱ったものはプーチン批判として、ウクライナ詠。)
無残やな・春なき国の・二年間 (松江市 寺本章)(長谷川櫂選)
(ウクライナ詠。)
【短歌】
二階建て・宿舎次々・できあがり・三日月が馬毛(まげ)島を・見下ろしてゐる
(西之表市 島田紘一)(高野公彦選)
(軍拡の勢いに悄然たるをえず。)
眼にだって・「頭」と「尻」が・ありまして・差別なき世の・道は険しい
(香川県 藤井哲夫)(永田和宏選)
(「目頭」と「目尻」という言葉があることと差別に関係があるとは思えない。差別を軽く扱うこのような短歌の態度には反対である。)
打算だけ・お詫びのポーズ・民(たみ)愚弄・怒り心頭・鉄槌決意
(東広島市 田村信二)
(自民党裏金問題、全国に配られる「熱さまシート」に注意。)
82羽・裏金鳥類・ひとからげ・濃いも薄いも・罪の唐揚げ
(名古屋市 村田喜六)
(安倍派幹部の再聴取により味付けを変えようという姿勢を見せるようだが、実態を解明しないという態度は変わらない。)
イッペイさん・バットを振らず・球(たま)打たず・楽しき人生・棒に振りけり
(仙台市 青田三津子)
(楽しそうにやっていただけに気の毒感が先に立つ。)
遺体さえ・所在不明の・ナワリヌイ・氏へ途切れざる・無言の花束
(寝屋川市 今西富幸)(馬場あき子選)
(ナワリヌイ氏を扱ったものはプーチン批判として、ウクライナ詠。)
瓦礫の中で・パンを分け合う・兄弟の・笑顔をつつむ・ガザの青空
(津市 玉村典久)(佐佐木幸綱選)
(パレスティナ詠)