2024年3月3日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第547回です。

 ウクライナ、パレスティナを扱ったものは今回もありませんでした。

 投稿はあるはずと思いますが。

 

 

【俳句】

 

 

干したきは・己代りに・布団干す (南房総市 山根徳一)(小林貴子選)

 

 

(布団干せば、少しは己も乾くのではないでしょうか。)

 

 

妻の居て・これ初夢と・気付きけり  (上尾市 清水昇一)(長谷川櫂選)

 

 

(主役ではなかったようだが。)

 

 

息詰めて・聴けばかすかに・雛(ひな)の息  

                  (秋田市 松井憲一)(高山れおな選)

   

 

(あるような気がしてくる。)

 

 

句をひねる・便器の尻の・温みかな  (高崎市 門田一也)

 

 

(花冷えに・トイレで句作・ダジャレかな)

 

 

日の出ると・ラジオ体操・今、いっしょ (四国中央市 保田三津子)

 

 

(朝6時半・もう星はなし。)

 

 

【短歌】

 

 

桐島とふ・ひと逝きにけり・ひとはみな・何者かとして・生きてゐるなり 

                    (東京都 朝倉修)(永田和宏選)

 

 

(その何者かが変わらないで続いていると感じる不思議。)

 

 

蝋梅(ろうばい)と・寒木瓜(かんぼけ)の咲く・その奥の・山羊(やぎ)の小屋から・呼びかけられる         (松阪市 こやまはつみ)(馬場あき子選)

 

 

(我が家の庭と同じ取り合わせ。)

 

 

アルバムを・見ながら思ふ・背広など・着たこともなき・父の一生 

            (大分市 野田孝夫)(馬場あき子選)(佐佐木幸綱選)

 

 

(子としていたたまれない気持ちなのかもしれないが、どっこい父は何とも思ってはいない。)

 

 

いつのまにか・追放されし・北青鵬・好青年と・見えていたのに 

                           (東京都 深田浩二)

 

 

(相撲は下手だったが、素直そうな顔をしていた。)