2024年2月13日

 

 岸田再選はない。起死回生の衆院解散も、岸田はさせてもらえない可能性が高い。

 局面を読めない、決断ができない、不運につきまとわれているという評価が定着した岸田は、選挙の顔になれないので、捨てられる。

 

 さて、アフター岸田だが、「堅実」か「人気」かの選択ということになる。

 「堅実」をとると石破だ。党員には人気もあるようだが、マザコン、オタク的印象のゆえ、国民的人気という意味ではあとひとつであろう。

 「人気」をとると小泉、上川、河野、高市といった名前が登場してくる。

 性格的歪みを感じさせる河野、右翼偏向の高市は、現状を超える人気の高まりは期待できない。選挙の顔にはなり得ないだろう。

 小泉、上川は実績不足で信頼性に乏しい。今後、それがカバーされれば芽が出てくる可能性はある。

 すき間を菅が狙うということはある。

 捨てられた岸田がしょうがない奴とされつつ復活することがないわけでもない。

 この論理の中に登場できない茂木は大いに不満だろう。

 旧安倍派の面々がここに上がってこないのは当然のことではあるが、たいへんにけっこうなことだ。

 

 以上のような中で自民党内の調整が不調の場合、自民分裂、政界再編がありうる。

 自民、立憲の一部、維新、国民による反金権統一戦線という看板(実質は反共産統一戦線)の政権が考えられる。

 選挙区調整の問題があるが、公明もここに加わることもある。

 この場合は、政界地図は、諸党連立内閣のまわりに自民党右派残留組、立憲左派、共産が位置するという構造になる。

 

 自民党内の争いで勝てそうもないと判断した者が、ここに活路を求めて分裂を導くのだ。

 早めの行動が必要で、もたもたしているとここにまで至らない。

 茂木、石破がその候補だが、ふたりが博打をする根性のある政治家かどうか、裏で走り回って再編劇を仕組む忍者がいるかどうか、残念ながら筆者は知らない。

 

 政界展望は面白いが、しかし、日本の将来という観点からすると、予測の範囲内に筆者が期待する政権はない。

 日本を極端な惨劇に導くのは、原発事故ではない、戦争である。

 政権の課題の第1は戦争の回避でなければならない。

 そして日本を戦争を導くこととなるので、直ちに除去されなければならいものとして、次の2つがある。

 安倍政権下で作られたいわゆる「存立危機事態法」(「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」平成15年法律第79号)にある「存立危機事態」における自衛隊の海外派遣・武力行使の規定、及び、岸田政権下で作られた「国家安全保障戦略」(令和4年12月16日閣議決定)にある抑止力、敵基地攻撃能力(「反撃能力」という世間を欺く命名がされている。)の取得という内容である。

 この危険を除去する姿勢のない政権は、筆者にとって、どんな政権であっても意味がない、「同じ穴のムジナ」である。

 政界展望で予想される政権は、この観点からすれば、いずれも期待できない政権と言わざるを得ない。