2024年1月28日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第542回です。
今回、ウクライナ、パレスティナを扱ったものが、俳壇、歌壇に1つずつありました。後ろに掲げます。
【俳句】
寒に入る・死んだ目で女・銀行へ (三浦市 松本礼子)(高山れおな選)
(コロナ禍の「ゼロゼロ融資」で窮まったのじゃなかろうか。)
水鳥の・泣きたきときは・逆さまに (所沢市 藤塚貴樹)(小林貴子選)
(風景がまったく違って見えてくる。)
恍惚の・国へ一駅・日向ぼこ (神戸市 高橋寛)(長谷川櫂選)
(あと一駅、無事に到着したいものだ。)
マスクなき・美女とマスクの・老婆かな
(東京都世田谷区 岸田季生)(大串章選)
(「マスクなき・老婆とマスクの・美人かな」、こちらはいかが?)
臭ひなき・戦禍みている・炬燵かな (橿原市 上田義明)(高山れおな選)
(ウクライナ・パレスティナ詠)
【短歌】
戦争を・放棄した国・殺傷の・兵器を輸出・する国となる
(柏市 菅谷修)(高野公彦選)
(論理なき理念というのは理念とはいえない。日本は平和主義という理念の旗を降ろしたのだ。)
糞ばばあ・梅干ばばあ・鬼ばばあ・そんなばばあが・昭和にはいた
(大和市 水口伸生)(永田和宏選)
(なぜいなくなったのだろうと真剣に考える。)
阿炎が泣く・子どものやうに・阿炎が泣く・師匠寺尾に・別れを告げて
(八尾市 水野一也)(馬場あき子選)
(5連敗スタートだったが、7連勝して勝ち越した。立派な弔い合戦だった。)
死の苦痛・和らげるだけ・病院は・鎮痛剤のみ・ガザの子どもに
(筑紫野市 二宮正博)(永田和宏選)
(パレスティナ詠)