2024年1月24日

 

 やや遅れましたが、朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第541回です。

 今回、ウクライナ、パレスティナを扱ったものが、俳壇にはなく、歌壇に2首ありました。後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

一月や・死語を楽しむ・同期会 (香芝市 土井岳毅)(大串章選)

 

 

(作者は意識しているかどうかわからないが、「死語」はどうしても「死後」を思い起こさせる。)

 

 

国境に・戦車一台・除夜の月 (静岡市 松村史基)(大串章選)

 

 

(何時の何処とも知れないながら、勇ましくはちっともなく、反省的で、寂しいことは確か。)

 

 

焼藷(やきいも)の・皮パソコンに・置いたのだれ 

              (垂水市 瀬角龍平)(高山れおな選)

 

 

(五感に及ぶ句。)

 

 

【短歌】

 

 

タテカンの・見えぬ歩道に・枯葉舞い・冬を迎える・京都大学 

                 (京都市 尾関純也)(永田和宏選)

 

 

(「団塊の世代」「全共闘世代」「学生運動世代」のこのような態度は不健全だと思う。作者がその世代ならば。)

 

 

戦争の・ニュースを消して・出立す・広島へ修学・旅行引率 

           (湖西市 佐藤きみ子)(佐佐木幸綱選)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ・パレスティナ詠)

 

 

少年が・テントの母を・守るため・素手で溝掘る・雨季のガザ地区

                   (中津市 瀬口美子)(高野公彦選)

 

 

(パレスティナ詠)