2023年11月12日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第532回です。
今回、ウクライナ、パレスティナを扱ったものは、俳壇に1句、歌壇3首ありました。うしろに掲げます。
【俳句】
兵として・死なぬ国なり・菊かをる (三重県明和町 西出泥舟)(長谷川櫂選)
(そうであればけっこうだが、事実ではないと思う。)
ふるさとの・上りホームに・吊し柿 (横須賀市 前田あさ子)(大串章選)
(「上りホーム」というところが心憎い。)
泣きやまぬ・児(こ)を抱き・新月と踊る (所沢市 安野イマ)(小林貴子選)
(わからないながら凄みを感じる。)
砲撃の・跡に昨日と・同じ月 (横浜市 新倉正二)(小林貴子選)
(ウクライナ・パレスティナ詠)
【短歌】
夕暮れの・町に降り来て・さがす酒舗・ひとりの山の・終点として
(横浜市 黒坂明也)(佐佐木幸綱選)
(山奥のひとり暮らしの歌として読んでしまった。ひとり山歩きの歌だった。)
甥っ子が・スマホおしえに・来てくれる・いそいそと炊く・炊きこみご飯
(彦根市 今村桂子)(高野公彦選)
(恋ならぬ恋。)
哀しみの・瞳をのせた・ロバの馬車・ゆっくりゆっくり・南へ動く
(鹿嶋市 大熊佳世子)(高野公彦選)
(パレスティナ詠。)
AIも・兵器も進歩・したけれど・太古のままに・人類は野蛮
(朝霞市 岩部博道)(高野公彦選)
(ウクライナ・パレスティナ詠)
偉大なる・神が殺せと・人に言い・それを信じる・人の不可思議
(神戸市 安川修司)(永田和宏選)
(パレスティナ詠)