2023年10月14日

 

 ハマスは明らかに勝とうとしていない。

 ハマスが消滅的危機を迎えることは必至だ。

 民族全体が壊滅的打撃を受けることも当然に予測されていたはずだ。

 しからば、今回の蜂起を狂気の沙汰といえるか?

 これだけの大規模軍事行動のために必要な緻密な計画、準備、そして秘密保持を考えれば、狂気による衝動的暴発と考えることはできない。

 組織的な検討を経た上での計画実行のはずだ。

 そうだとしたら、少数者に限られていたのかもしれないが、何らかの狙いが合意されていたはずだ。

 それはいったい何なのか?

 10月14日現在、専門家による説明にわれわれはまだ接していない。

 

 戦士は戦世でしか生きていけない。

 生きていけないだけでなく、戦士は戦世でしか死ぬことができない。

 彼らの天国への道は戦世からしか通じていない。

 彼らのアイデンティティは戦世を前提とする。

 大勢は現状の固定に向かっていて、このままでは戦世の再帰が無くなってしまう。

 彼らがウクライナ情勢をどのように読んでいたのかはわからない。

 しかし、世界大戦化はない、と考えたのではないだろうか?

 われわれ自身が世界大戦を導き出さなければ、戦世は来ない。

 彼らはそう考えたのではなかろうか。

 そうだとすれば、彼らほどのエゴイストはいない。

 天皇をみずからの美の実現のために利用した男が昭和元禄によって生み出されたことがあった。

 パレスティナ紛争は民族全体を自分たちのために利用するという男たちを生み出してしまったのかもしれない。

 

 専門家の説明を待ちたい。