2013年10月7日
去年からか、もう少し前からか、NHKはラグビーの普及に相当熱を入れているように感じる。
そして、その流れを受けてのことであろう、今回のラグビー・ワールドカップに対する報道ぶりは、小生のようなラグビーファンではない者にとっては、異常というほかはない。
試合のない日でも、練習をしたとか・しないとか、連日のように報道がなされている。
見たことも聞いたこともない「専門家」が登場してきて、要するに「勝つのはとても大変だけど、日本は勝つでしょう」という、無内容と思われる「解説」を繰り返している。
同時期に開催されている「アジア大会」についての放映が6チャンネルにほぼ独占されているためなのか、NHKではほとんど取り扱われていないのとは対照的だ。
この間のNHKの過熱報道ぶりにラグビーの「にわかファン」となった人たちがかなりの数になることはほぼ間違いあるまい。
このことによって、何か困ったことが発生しているわけではない。
このことによって、日本人の趣味の範囲が、いささかなりとも拡大したことになったのかもしれない。
もしかしたら、老人ホームのじいさん、ばあさんの話題の追加ということになっているのかもしれない。
話題の総体としてはゼロサムゲームで、何かの話題が消えてラグビーに代替されているのかもしれない。
しかし、客観的に考えれば、明らかに、このことは、有害とはいえなくても、「情報操作」「世論誘導」だ。
われわれの「精神生活」が、といえばいささかオーバーではあるが、このような「情報操作」「世論誘導」に侵されていることは、端的に言って、「おもしろくない」。
ラグビーを国民的人気スポーツにしようとの意図をもって、資金を投じてきた企業、個人がたぶんいるのだろう。
それを考えれば、NHKの行動は、特定の利益の実現を図るためのものということになる。
そこまで推測すると、「おもしろくない」が「けしからん」に発展してくる。
小生の場合、スポーツニュースをオフにするわけにはいかないので、ラグビー関連になった場合には、直ちに「消音」にすることにしている。
ラグビーに恨みがあるわけではないが、操作・誘導の対象になっている自分を守らなければならないという意識が働くのである。
警戒心は、当然のことながら、さらに広い分野に及ぶのであるが、対応行動が可能なのは、このラグビーとか一部の異常報道(例えば、自転車ヘルメット装着キャンペーン)に限られる。
学校では、「自分を大切に」とか「個性を大切に」とか、教えているのだろうが、子どもたちをそんなマスメディアにさらして平気でいるところを見ると、本気度に欠けるところがあると言わざるをえない。