2023年10月1日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第526回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇にも俳壇にもありませんでした。

 報道の量の減少の結果と思われますが、問題でしょう。

 

 

【俳句】

 

 

桐一葉・まじめに老ひて・しまひけり (大和市 平子進)(高山れおな選)

 

 

(気の毒だ。)

 

 

鐘楼と・いへど楼のみ・秋の声 (栃木県壬生町 あらゐひとし)(長谷川櫂選)

 

 

(秋には欠如感が伴うものだ。)

 

 

人に似し・案山子とみれば・動きけり  (大村市 小谷一夫)(大串章選)

 

 

(案山子は案山子らしく作らなければならない。)

 

 

友ら雲に・なりて浮かべり・秋の山 (東京都大島町 大村森美)(大串章選)

 

 

(星になるより、個性豊かで楽しい。使わせてもらいましょう。)

 

 

【短歌】

 

 

ピカピカに・車をみがく・友人に・この世は無常と・言ってもむだか 

                 (大阪市 渡辺たかき)(永田和宏選)

 

 

(無常を知ればこそ、車をみがくのだろう。)

 

 

若き日の・所作おぼろげに・ゆらり舞う・ホームの母の・おわら風の盆 

                (三鷹市 大谷トミ子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(「マイ・ラスト・ダンス」、僕ならツイストだな。)

 

 

奴(やつ)もまた・同じ時間を・過ごすらむ・午前の3時・ラジオをつけて 

                         (秋田市 稗田礼二)

 

 

(ラジオをつけて、必ずしも、ラジオを聴いているわけではない。)

 

 

これほどに・なきこがれたら・おだやかで・いられはすまい・めすのこおろぎ 

                          (宮崎市 井田一孝)

 

 

(明け方までの大合唱、おすのこおろぎは断念ということを知らないのだろう。)