2023年9月24日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第525回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、短歌に1首、俳句にはありませんでした。後ろに掲げます。
【俳句】
一生は・片道切符・秋の蝉 (神戸市 岸下庄二)(大串章選)
(蝉は片道だろうが、人間には往復の人もいる。)
大谷を・子規に見せたき・糸瓜(へちま)かな (東京都 野上卓)(長谷川櫂選)
(「ベースボール」を「野球」と訳したのは子規だった。)
そしてもう・だれとも会わぬ・呑み屋かな (東京都 吉田一三)
(「決意」「孤独」は、いい酒の肴だ。)
【短歌】
水深が・2.3の・プールです・泳ぐしかない・老婆の決意
(廿日市市 久保典子)(佐佐木幸綱選)
(競技用プールだろう。本格的だ。)
ボランティア・保育士中2の・娘の抱っこ・園児並んで・順番を待つ
(朝霞市 岩部博道)(高野公彦選)
(「快さ」を知る園児たちの本能なのだろうか。)
台湾の・有事は戦争・全面化・避難先など・あろうはずなし
(神戸市 寺田耕一)
(日本が参戦するような事態になれば本土にもミサイルは飛来する。避難する場所などもはやない。)
危機感の・見えない顔の・記者会見・リスク語れど・迫ることなし
(名古屋市 室田六実)
(岸田首相、たぶん「政策」の問題ではなく、「人格」の問題であろう。)
逝くだろう・多次元世界を・知らぬまま・2次元男に・お呼びは間近
(京都市 湯田中修三)
(「多次元世界を」と「2次元男に」のところに入れる言葉をいろいろ考えられる。例えば「男女の機微を」と「マザコン男に」。)
出雲では・神在月に・神々が・怒りで決める・プーチン召喚
(松江市 柳田三吉)
(ウクライナ詠。)