2023年8月25日
これから「時間の遅れ」を、4次元の世界を考えることなく、説明しようと試みる。簡単なたとえ話だ。
平地が50キロ続き、途中から30度の登り勾配が50キロ続く、という道路を考える。
この道路を時速50キロの自動車が走る。登りでも速度は変化しないとする。
この自動車は、この道路の合計100キロを2時間で走るだろう。
この道路を平面図(上から見た図)に表示する。
平地部分は50キロに表示されるが、30度の登り勾配部分は(正三角形を二等分した直角三角形(2:1:√3)を考えて)〔50×√3÷2〕キロ、概算43キロに表示される。
この自動車は2時間で、平面図上では50+43=93キロしか走っていない。
平面図で自動車の動きを観察する立場からは、自動車は実際よりもゆっくり(平均時速50キロのはずが平均時速46.5キロで)走ることになる。
この見かけの速度ダウンをもたらした勾配の存在を平面の「歪み」と表現し、この事態を「平面図の上では表示されなかった平面の「歪み」によって発生した現象」と表現することができる。
そしてこの「歪み」は、平面図(2次元図)に上下の軸を加えることによって、すなわち上下という次元を加えることによって、すなわち3次元の図を作成することによって、登りの勾配であったと理解することができる。そして「時間の遅れ」が生じたことの背景を理解することができる。
相対性理論の効果で「時間の遅れ」が生じるのは、このたとえ話と次元を1つ異にするだけで、同様なことだと考えられる。
3次元の「空間」に「歪み」が生じることによって「時間の遅れ」が発生するのだ。
次元を1つ追加することによって、「歪み」の存在が認識され、「時間の遅れ」が理解されるのも同じである。
追加される次元は「時間」とされ、4次元空間は「時空」と呼ばれたりする。
たとえ話では追加した次元は「上下軸(縦軸)」であり、「時間の遅れ」を解明するからといって「時間」という次元を採用したわけではない。
アインシュタインの相対性理論の場合も、追加する次元は「歪み」を認識し、「時間の遅れ」を解明することができればいいのだから、その第4次元を「時間」とする必然性はないのではなかろうか?
(「時間」「時空」ということばは、ロマンティックで魅力的なことばだが‐‐‐)