2023年8月20日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第520回です。

 先週は朝日新聞俳壇、歌壇がお休みでした。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に3首、俳壇にはありませんでした。

 

 

【俳句】

 

 

九十歳・あの世この世で・夏休み (新座市 丸山巌子)(長谷川櫂選)

 

 

(幽明に境の無くなる境地、友が逝けば、九十歳を待たずとも。)

 

 

死に水は・冷酒がよろし・さう願ふ (川越市 益子さとし)(長谷川櫂選)

 

 

(「いくら飲んでも・二日酔いなし」と付けたい。)

 

 

土用凪・君はすべてを・背負ふ人 (富士市 村松敦視)(高山れおな選)

 

 

(ビートルズ「ヘイ、ジュード」の「Don’t carry the world upon your shoulder.」を思い出した。)

 

 

森じゅうの・一葉も揺れず・蝉時雨 (東村山市 内海亨)(高山れおな選)

 

 

(残暑の厳しさ!)

 

 

【短歌】

 

 

友達に・オオクワガタを・採った場所・教えなかった・小四の夏 

                  (姫路市 箭吹征一)(馬場あき子選)

 

 

(なつかしさではなく、自己否定的感情だろう。)

 

 

「丁寧な・説明する」と・繰り返す・皆が聞くのを・諦めるまで 

                  (市川市 中沢庄平)(永田和宏選)

 

 

(岸田首相はじめ最近の政治家が多用するようになったが、あれには「合理的な説明ができませんので」という政治家失格のことばが隠れているのである。)

 

 

ウクライナで・遺体の身元・未確認・二八〇〇に・「不帰」の伯父かさなる 

                  (福島市 澤正宏)(馬場あき子選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

クラスター・弾を撃ちます・今のため・未来の子どもを・犠牲にしても 

                 (東京都 十亀弘史)(佐佐木幸綱選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

この冬を・耐えれば春は・また来ると・言いし兵士は・今も戦うや 

                (五所川原市 戸沢大二郎)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠。)