2023年8月6日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第519回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇にも俳壇にもありませんでした。
8月ゆえの反戦歌におされた感じです。
【俳句】
新聞紙・一枚掛けて・昼寝かな (吹田市 井田誠夫)(長谷川櫂選)
(熊楠型昼寝と見る。)
猫と犬・降ってきそうな・大夕立 (神戸市 喜多清)(高山れおな選)
(選者は気づいていないようだが、英語にどしゃぶりについて「It rains cats and dogs.」という表現がある。)
思考停止・いつも変わらぬ・原爆忌(京都市 徳田仁一)
(作者は怒っている。)
【短歌】
議論する・べきは財源・ではなくて・軍拡自体で・あるはずなのに
(東京都 十亀弘史)(永田和宏選)
(指摘のとおり!だらしのない立憲は党内調整がとれないのだ。)
小作なる・父のたづなで・鞍の上・川を渡りて・向かひの田圃
(蒲郡市 古田明夫)(馬場あき子選)
(遠くて、条件の悪い田圃だったのであろう。小作の無念を想像しなければならない。)
聞こゆるは・山のウグイス・沖の舟・島の独り居・ただ音に過ぐ
(江田島市 和田紀元)(佐佐木幸綱選)
(もはや外へは出られない状態なのであろうか?それでも島の自然は多彩。)
キリギリス・買ったのでない・キリギリス・庭先に聞く・これがうれしい
(東広島市 島田友三郎)
(前の歌にも通ずる、感受性のプレゼント。)