2023年7月23日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第517回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に3首、俳壇に1句ありました。うしろに掲げます。
【俳句】
箱眼鏡・魚に顔を・覗かるる (大村市 小谷一夫)(大串章選)
(なぜか反省してしまう。)
相席の・人は博識・夏暖簾 (熊谷市 阿武敬子)(高山れおな選)
(鬱陶しがられているような気もする。)
病室に・棲んでる蜘蛛を・友とする (府中市 矢島博)(小林貴子選)
(神の派遣し給いしなり。)
独居にて・熊楠消夏を・実行す (倉吉市 福田二郎)
(わかる人はわかる、異性をはばかる消夏法。)
子を攫(さら)ふ・国あるうつつ・明け易(やす)し
(多摩市 田中久幸)(長谷川櫂選)
(ウクライナ詠)
【短歌】
四畳半・フォークを4L・DKで・聴けば思ひは・罪のごとしも
(神戸市 松本淳一)(佐佐木幸綱選)
(「ごとし」ではなく「罪」である。)
一粒の・麦蒔くごとく・三十年・憲法伝えし・教室閉じぬ
(八王子市 栗原文夫)(馬場あき子選)
(最大の危機が迫っているときになぜ?)
越中で・言ふ 熱中症は・エアコンが・作り出したる・ぜいたく病と
(所沢市 野田池正一)
(医者は賛成しないだろう。「越中」とは「越中褌」のこと。)
ちっぽけな・自己満足と・知りながら・ウクライナ産の・蜂蜜を買ふ
(鹿嶋市 大熊佳世子)(高野公彦選)
(ウクライナ詠)
カホウカダム・決壊死者は14人・すくなしと思ひ・すまないと思ふ
(北九州市 嶋津裕子)(永田和宏選)
(ウクライナ詠)
竜の歯と・地雷隠るる・草原に・やさしき花々・風に揺れおり
(太田市 川野公子)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠)