2023年7月5日
ChatGPTと以下のようなChatをしました。
(問)「subject」の語源を説明してください。
(ChatGPT)
「サブジェクト」の語源は、ラテン語の「subjectus」から派生しています。このラテン語の原義は「下に置かれた」または「征服された」という意味です。
「subjectus」は、「sub」(下に)と「jacere」(置く)の組み合わせで構成されています。この言葉の初期の意味は、征服や支配された人々を指すものでした。古代ローマの法律においては、征服された土地の住民や征服された民族は「subjectus」として知られ、征服者の支配を受ける地位にありました。
後に、「subjectus」は広がりを持ち、より一般的な意味で使用されるようになりました。それは「ある対象や主題の対象となる者」という意味に変化し、文学や哲学などの分野でよく使用されるようになりました。また、政治や法律の文脈では、「主権者や統治者に従属する個人」という意味でも使用されます。
現代の英語では、「subject」はさまざまな意味で使用されていますが、一般的には「研究や議論の対象となるテーマやトピック」という意味で広く使用されています。
(問)「下に置かれた」「征服された」という意味がなぜ、「主体」「主語」というような意味に転化したのですか?
(ChatGPT)
「下に置かれた」「征服された」という初期の意味から、「主体」「主語」という意味に転化したのは、言語の発展と文化的な変化によるものです。
言語は時とともに変化し、単語の意味や用法も変わっていきます。特に、哲学や言語学などの学問の発展によって、新たな概念や理論が生まれることがあります。こうした学問の進歩は、言葉の意味や用法に影響を与えることがあります。
「subjectus」の意味が征服や支配された者から、より一般的な意味で使用されるようになった経緯は、以下のような流れで起こったと考えられます。
- 征服された者としての「subjectus」: 古代ローマの法律において、征服された土地の住民や征服された民族は「subjectus」として知られていました。彼らは征服者の支配下におかれた者として位置づけられていました。
- 支配を受ける者としての「subjectus」: 征服された者は支配を受ける立場にありました。ここから転じて、「subjectus」は「支配を受ける者」「主権者に従属する者」という意味で使用されるようになりました。
- 主体や主語としての「subjectus」: 哲学や言語学の分野において、「主体」という概念が重要視されるようになりました。主体とは、意識や認識を持つ存在や、行為や状態の源泉となる存在を指します。この概念に基づいて、「subjectus」は「主体」「主語」という意味でも使用されるようになりました。
言語の変化や文化的な変遷によって、単語の意味は広がったり変化したりすることがあります。こうした変化は、言語の柔軟性と発展の一部として捉えられます。
真逆の意味への転化をもたらした事情を問う2番目の問いに対して、ChatGPTはまともに答えてはくれませんでした。
ChatGPTがまともに答えないということの背景として、それに対する共通理解が形成されていないということがしばしばあると思われます。
しかし、このような重大な問題について、これまで考えられてこなかったはずは絶対にないはずです。
まずは、御存知の方がいらっしゃいましたら、是非とも御教示をお願いする次第です。
取り敢えずの思い付きを披露しておきましょう。
人間は何ものかに従属することなしには主体たりえない、すなわち自己に発することばを発しえない、自己に発する行動を行いえない、すなわち、主体とは何ものかに従属することを受け容れたものである、という発想が西欧にあって、それが「subject」の意味の転化をもたらした、というのがその思い付きです。
「何ものか」は西欧においては端的に「神」でしょうが、これを「言語体系」「文化」と解釈することも可能ではないかと思います。
人間は独り立ちできない存在であり、従うべき「何ものか」を求めないではいられないという、実に実に深刻な、しかし帰納法的に否定しがたいことが、「subject」の意味の転化の背景にあるのではないか、ということです。
民主主義、個人主義の根幹にかかわる重大な人間観の存在が垣間見えるものです。
日常的に真逆の意味を同一単語で暮している西欧人の感覚には我々日本人の理解の及ばないところがあるのかもしれない、などという考えも浮かんできます。
さて、先人たちのこのことに関する見解はどうなっているでしょうか?東西によってその見解も異なってくるような気もします。