2023年5月28日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第509回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に1首、俳壇に2句。それぞれうしろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

夏隣・散歩の帽子・変へにけり (伊丹市 保理江順子)(大串章選)

 

 

(隣人の変化に敏感なり。という意味ではなく夏が近づいたということか?)

 

 

傍目(はため)には・終つた人か・ふらここに 

           (栃木県壬生町 あらゐひとし)(高山れおな選)

 

 

(そう見られる可能性があるので、ブランコに乗るのは注意しよう。)

 

 

リモコンを・叩きて直す・昭和の日 (神戸市 檜田陽子)(高山れおな選)

 

 

(直りはしないけど、今でもする。)

 

 

けふもまた・還らざる日か・春逝けり (大和市 岩下正文)(長谷川櫂選)

 

 

(余命宣告を受けての日々か。「逝けり」はこれを示唆。)

 

 

九条の・死したる国へ・春の雹(ひょう) (藤沢市 朝広三猫子)(長谷川櫂選)

 

 

(岸田の敵基地攻撃能力は安倍の集団的自衛権を超える九条精神の逸脱である。天罰のあらむ。)

 

 

戦なき・空こそ泳げ・鯉幟 (長野市 縣展子)(大串章選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

野火猛(たけ)る・戦の炎・如何ばかり (玉野市 勝村博)(大串章選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

【短歌】

 

 

悶悶と・していてひょっと・気がついた・門がまえには・逃げ口がある 

                  (新潟市 太田千鶴子)(永田和宏選)

 

 

(たしかに門がまえは間の抜けたところがある。)

 

 

まっぷたつに・キャベツを切れば・断面の・アルツハイマー・らしき空白 

                (松阪市 こやまはつみ)(馬場あき子選)

 

 

(大きさも同じくらいだ。「空白」ではなく、キャベツ全体が大脳と。)

 

 

「日本には・どうしてデモが・少ないの」・フランス人に・問われる五月 

                   (東京都 十亀弘史)(馬場あき子選)

 

 

(ロシア大使館を10万のデモで包囲せよ!シールズはどこへ行ったのだ。)

 

 

メールにて・徴兵をする・時代まで・開いてしまった・この戦争は 

            (東京都 十亀弘史)(佐佐木幸綱選)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠)