2023年4月16日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第504回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に1首、俳壇にはありませんでした。後ろに掲げます。

 今回は大江健三郎を悼むものが、歌壇に9首、俳壇に4句ありました。

 

 

【俳句】

 

 

白蝶の・どれが鬼やら・鬼ごっこ (西海市 前田一草)(高山れおな選)

 

 

(遊んでいるとしか思えない。)

 

 

始まりは・舌打ちめける・匂鳥 (下関市 内田恒生)(小林貴子選)

 

 

(「匂鳥」はウグイスの別名。ウグイスは考えながら鳴いている。)

 

 

【短歌】

 

 

ふきのとう・十三年ぶりの・天ぷらは・苦み懐かし・春の味する 

     (須賀川市 近内志津子)(馬場あき子選)(高野公彦選)

 

 

(2011年原発事故の前年以来ということだったのだ。)

 

 

四百の・ミサイル買ふと・いふ国に・三十一文字(みそひともじ)で・我らあらがふ 

                  (朝霞市 岩部博道)(高野公彦選)

 

 

(我らの国は言霊のさきはふ国ぞ。言霊によって幸(さき)くなる国なり。)

 

 

1日に・7分遅れる・掛け時計・7分長い・1日過ごす 

                  (稲沢市 山田真人)(永田和宏選)

 

 

(「7分」というのが「言霊」というか「数霊」というかの現われ。)

 

 

休刊の・日にはゆったり・歌を詠む・烏露(うろ)戦争の・記事を離れて 

                    (藤沢市 中田毅)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。)