2023年4月2日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第502回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に3首、俳壇に2句ありました。

 それぞれ後ろに掲げます。「言霊の・威力示さん・プーチンに」

 

 

【俳句】

 

 

我老いて・春の小川の・やうに酒 (三郷市 岡崎正宏)(長谷川櫂選)

 

 

(りっぱ!)

 

 

貸し借りの・無き身の軽し・春一番 (三田市 橋本貴美代)(長谷川櫂選)

 

 

(金銭以外でもそうであったら、これまたりっぱ!)

 

 

いまだある・戦死といふ死・遠霞 (相模原市 志村宗明)(高山れおな選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

鷹鳩に・化して成り立つ・和睦かな (郡上市 宮原岩男)(小林貴子選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

【短歌】

 

 

七十五・過ぎて居座る・議員にも・受けて欲しきは・認知度検査 

                 (富士見市 阿部泰夫)(高野公彦選)

 

 

(認知度正常で悪というのが実態であることを認識すべきだ。甘い!)

 

 

ドローンを・畔におろして・ストレッチ・している人を・見おろす鴉 

                 (松阪市 こやまはつみ)(馬場あき子選)

 

 

(結びつきにくい物事がひとつの画面に自然に存在していることの面白さ。)

 

 

姉さんと・呼ばせて下さい・心から・売られたケンカ・全部買うとは 

                   (甲州市 麻生孝)(佐佐木幸綱選)

 

 

(3月5日の「吾娘(あこ)は書く・『売られたケンカは・全部買う』・道徳ノートの・『短所』の欄に」への返歌とのこと。「姉さん」は「あねさん」と読むべきなのかも。)

 

 

男伊達・男丈夫の・老いて病み・見舞いの友の・無念解せず 

                         (相生市 岩田一実)

 

 

(元気な時がりっぱだっただけにいっそう無念さが募る。)

 

 

格差不可避・思えば空し・経済は・捨てて誇らむ・貧の文化を 

                         (熱海市 内田武二)

 

 

(いっそう進む格差社会への対処にはこの道を行くほかない。)

 

 

パンダ舎に・列為し涙・ぐむ人の・ニュースの後の・バフムト攻防 

                (五所川原市 戸沢大二郎)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

「感情を・無くそう自分を・守るため」・マリウポリ逃れし・少女の日記 

                   (茨城県 原里江)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

プーチンを・投げ飛ばしいる・少年の・切手貼りたし・春の手紙に 

                (水戸市 中原千絵子)(馬場あき子選)

 

 

(ウクライナ詠。)