2023年3月26日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第501回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に6首、俳壇に1句ありました。
それぞれ後ろに掲げます。
「強気見せ・笑むプーチンに・死相あって・わずかの間なれど・心慰む」、これは筆者。
【俳句】
雛飾る・子の無き妻の・一途かな (札幌市 藤林正則)(小林貴子選)
(「雛飾る」も単純ではない。)
春宵の・義務とも違ふ・努力義務 (相馬市 根岸浩一)(小林貴子選)
(自転車のヘルメット着用を連想してしまったが、関係ないか。)
囀(さえずり)や・見えるところに・一羽居(お)り
(玉野市 北村和枝)(長谷川櫂選)
(ヒバリだと思ったが、「居り」ということになるとちがうようだ。何の鳥だろう?)
竜天に・ミサイルの炸裂・止まず (千葉県栄町 池田祥子)(高山れおな選)
(ウクライナ詠)
【短歌】
花なんか・興味の欠片(かけら)も・ない奴が・今日花々に・囲まれ眠る
(五所川原市 戸沢大二郎)(永田和宏選)
(やんちゃ仲間の葬式。)
私では・だめかと言えず・モカ飲みし・煉瓦造りの・喫茶店にて
(下呂市 河尻伸子)(永田和宏選)
(寺山の「モカコーヒーはかくも苦し」を思い出す。)
夕焼けに・染まった田んぼに・平和見ると・ウクライナから・やって来た人
(滋賀県 木村泰崇)(佐佐木幸綱選)
(ウクライナ詠。)
雪原に・「誰かがやらねば・ならない」と・地雷除去する・ウクライナ兵
(中津市 瀬口美子)(佐佐木幸綱選)
(ウクライナ詠。)
「戦争の・収束はまだ」・戦争を・コロナのごとく・識者が語る
(観音寺市 篠原俊則)(永田和宏選)
(ウクライナ詠。)
もう一度・楽器手にとる・日が来れば・愛を唄ふと・銃持つ兵士
(さいたま市 齋藤紀子)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠。)
武器商人は・言うのだろう・性能は・ウクライナにて・証明済みと
(札幌市 三瓶敦子)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠。)
われに似し・脱営兵の・瘦せし頬・われは忘れず・八十年経ても
(我孫子市 松村幸一)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠。)
プーチン氏・見るたびに思う・大連にて・ソ連の兵が・襲いきし夜
(郡山市 遠藤雍子)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠。)