2023年3月19日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第500回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に4首、俳壇に2句ありました。
後ろに掲げます。「ロシアの民よ、民族の恥、国際犯罪人プーチンを収監せよ!」
【俳句】
老いし身へ・如何(いか)が如何がと・春迫る
(伊那市 北原喜美恵)(長谷川櫂選)
(「願はくば、花の下にて」のことと直感したのだが、必ずしもそうとはかぎらないと気づく。)
百本の・梅の盛りの・静けさよ (香川県琴平町 三宅久美子)(大串章選)
(逆説の真。)
斬りかかれ・寒の三日月・唆(そそのか)す
(武蔵野市 三井一夫)(小林貴子選)
(殺気みなぎる・クレムリンの夜、といきたいところ。)
侵攻の・わかもの銃を・手に凍(こご)ゆ (川口市 青柳悠)(長谷川櫂選)
(ウクライナ詠)
啓蟄や・地下に避難の・人残し (新潟市 嘉代祐一)(小林貴子選)
(ウクライナ詠)
【短歌】
救出の・度に拍手の・沸くトルコ・拍手沸かざり・ウクライナには
(観音寺市 篠原俊則)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠)
トルコから・ウクライナへと・画面かわり・瓦礫の前に・祈る老婆が
(小金井市 神蔵勇)(馬場あき子選)
(ウクライナ詠。)
十二年・前のわれらに・重なりぬ・トルコ、シリアも・戦禍の民も
(久慈市 三船武子)(高野公彦選)
(ウクライナ詠。)
人は死ぬ・けれど貧者と・囚人は・捨て駒として・戦場で死ぬ
(西海市 前田一揆)(永田和宏選)
(ウクライナ詠。)