2023年3月12日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第499回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に3首、俳壇にはありませんでした。

 後ろに掲げます。「バフムトの決死隊、奮闘を祈る!」

 

 

【俳句】

 

 

独裁者・いない幸せ・蝌蚪(かと)の国 (茅ヶ崎市 古田哲弥)(小林貴子選)

 

 

(「蝌蚪」、おたまじゃくしのこと。「みんなでがんばろうね」という群れの様子。)

 

 

鈴四つ・土産に求む・猫の産 (いわき市 岡田木花)(長谷川櫂選)

 

 

(四つ子が生まれたのだ。みんな育てる決意。)

 

 

春一番・畑の中の・小学校 (所沢市 岡部泉)(大串章選)

 

 

(選者は「農村の情景」などとのんびり受けとめ、気づいていないようだが、小学校はもうもうたる土けむりに包まれるのだ。)

 

 

朝市の・女飲み込む・寒卵 (会津若松市 竹田破竹)(高山れおな選)

 

 

(早朝から働く女の気合!)

 

 

【短歌】

 

 

「がんばって・いれば結果は・でるのかな」・と十三歳の・棋聖ほほ笑む 

                   (仙台市 沼沢修)(馬場あき子選)

 

 

(女流棋聖・仲邑菫ちゃんのこと。その負けず嫌いは、ほほ笑むというような穏やかなものではない。)

 

 

国を越え・攻めることせぬ・ウクライナ・専守防衛の・すがたを見たり 

             (宇陀市 赤井友洸)(馬場あき子選)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。ただし「専守防衛」の理解は間違っていると思う。)

 

 

恵方巻き・南南東を・向き食べる・鬼なるロシアに・背中を向けて 

                   (京都市 後藤正樹)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

ウクライナ、・トルコの夥(おびただ)しい瓦礫・人の狂気と・自然の脅威 

                 (春日井市 伊東紀美子)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。)