2023年2月12日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第495回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に3首、俳壇にはありませんでした。

 後ろに掲げます。

 

 

【俳句】

 

 

駅裏は・枯れ駅前は・殺風景 (栃木県壬生町 あらゐひとし)(長谷川櫂選)

 

 

(日本全国たくさんの駅の情景。)

 

 

左義長や・神仏ともに・火の柱 (青梅市 市川蘆舟)(長谷川櫂選)

 

 

(読みようによっては神仏を火あぶりにする凄い句になる。)

 

 

新聞と・テレビが世間・炬燵の間 (高松市 村川昇)(長谷川櫂選)

 

 

(老人のヴァーチャルリアリティ。)

 

 

【短歌】

 

 

鵯(ひよどり)の・鳴き声追えば・陽光の・雑木林に・侘助の咲く

                    (葛城市 林増穂)(永田和宏選)

 

 

(早春を五感で受けとめている。)

 

 

鹿渡(かど)と云う・地名残して・干拓地・大潟村に・雪降り続く 

          (つくば市 藤原福雄)(永田和宏選)(馬場あき子選)

 

 

(遠い過去に思いを馳せさせる効果を雪はもつ。)

 

 

傘さして・花に水やる・人のゐて・認知症とは・かくも不条理 

                  (白井市 本山正明)(高野公彦選)

 

 

(「かくも不条理」は厳しすぎる。病のもたらす「美しき不条理」と言いたい。)

 

 

お互いに・兵士は死ねど・こどもらが・死んでゆくのは・ウクライナばかり 

              (五所川原市 戸沢大二郎 )(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

戦場を・駆ける兵士と・箱根路を・走る若きの・正月二日 

                  (宮崎市 木許裕夫)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

式典に・酒飲み暴れ・いる二十歳(はたち)・戦場に銃・構える二十歳 

          (観音寺市 篠原俊則)(永田和宏選)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。)