2023年1月6日

 

 立憲・泉代表が元旦に東京赤坂の乃木神社に初もうでしたことに批判が出ている。

 それに対する泉代表の反応は、「息苦しく感じる」「近所の神社で国家繁栄、家内安全を祈ることが“軍人を神と崇める行為”とされるとは…。武人や軍人を祭神にしている神社は全国に多数あります。初詣に行くと軍人崇拝なのですか?」だったそうだ。

 庶民感覚としてはそんなところが相場ではあろう。

 しかし、立憲民主党代表としては庶民感覚では不十分である。

 立憲民主党は一政党としていくつかの歴史的使命を担っているはずだ。

 その使命遂行のために庶民に対して指導性を発揮しなければならない場合とはいかなる場合か、政党代表としてはその判断が問われる。

 

 現在、当面の目標からは降ろされているが、「靖国神社国家護持」「宗教一般とは異なる国家の精神的基盤としての『神道』の位置づけ」を究極目標とする政治勢力の存在がある。

 国家主義、排外的民族主義、神話的国家観に立った右傾政治勢力だ。

 安倍元首相がその象徴的リーダーであった。

 立憲民主党はその政治勢力と戦わねばならない。それが立憲民主党の歴史的使命である。

 立憲民主党の存在理由はそこにあると言ってもよい。

 自分の乃木神社初もうでに対する批判はその使命に答えていく上でのチャンスだと泉代表は気づかなければならなかった。

 乃木神社初もうでに対する批判について、それを靖国神社問題に切り返して、戦うべき相手に一太刀浴びせる、そのとっさの判断、センスが泉代表には欠けていた。

 スポーツ界ではチャンスに期待どおりの成果をあげる選手にスター性があるという。政界も同じであろう。