2022年12月4日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第486回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇にも俳壇にもありませんでした。
報道に左右される人々の心、むなしき思いがします。
【俳句】
生甲斐も・目標もなし・冬立ちぬ (茅ヶ崎市 内海清女)(小林貴子選)
(ゴチャゴチャしているより清涼感があってよし。)
ラグビーや・後講釈の・負け戦 (大和市 荒井修)(長谷川櫂選)
(スポーツ全般、経済、政治も、負け戦に限らず勝ち戦も、後講釈ばかり。「後講釈・コメンテーターの・飯の種」)
引く波を・追ひて千鳥の・早歩き (川越市 大野宥之介)(大串章選)
(ただ淡々と事実だけの句。案外少ない。)
言わば死んだ・人となりける・閑居蝉 (宇部市 矢田貝五郎)
(死んではいない、ただ黙っただけ。)
【短歌】
頑丈な・建物はなし・地下もなし・カーテンを引く・Jアラートに
(新潟市 太田千鶴子)(永田和宏選)
(スマートな批評。)
野生馬に・追いかけられて・先生と・必死に逃げた・秋の遠足
(平塚市 秋濱泰子)(馬場あき子選)
(「遠足思い出集」というのが誰にも考えられそうだ。)
語るべき・ことを失い・風寒く・さざんかばかり・盛んなりけり
(小野田市 田保一男)
(さざんかは慰めてくれようとしているのでは?)