2022年11月27日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第485回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に39首中5首、俳壇にはありませんでした。

 今回もそれを掲載します。

 なぜ反戦平和の人々によるロシア大使館を包囲する大規模デモが行われないのでしょうか?

 日本でのことだけでなく、世界中のこととして不思議でなりません、と今週も引き続き思っています。

 

 

【俳句】

 

 

木瓜(ぼけ)の実の・いずれもファニー・フェースかな 

                   (上尾市 吉田みのる)(小林貴子選)

 

 

(美しくもなく、食べられるわけでもなく、ボコボコごつごつに愛嬌があると言えば愛嬌がある。花の時はあんなに美しかったのに。)

 

 

国会中継・翅(はね)たたみ得ぬ・いぼむしり

                   (岡谷市 大島弘人)(小林貴子選)

 

 

(いぼむしりとはカマキリのこと。さてそのいぼむしりは誰の喩えなのだろうか?質問する野党議員?テレビを見る国民?)

 

 

契約を・すれば洗剤・文化の日 (所沢市 岡部泉)(小林貴子選)

 

 

(新聞購読契約に洗剤のサービスがあり、文化的でない習慣だなと思う文化の日。)

 

 

【短歌】

 

 

酒に逝きし・友の祭壇・花あふれ・「鯨の会」の・名札ありけり 

                    (行方市 額賀旭)(佐佐木幸綱選)

 

 

(「鯨の会」は「鯨飲の会」の意。鯨飲できなくなった小生としては「酒に逝きし」が何とも羨ましい。)

 

 

媼(おうな)一人・瓦礫の中に・暖のため・木片拾う・ウクライナの冬 

                    (中津市 瀬口美子)(高野公彦選)

 

 

(ウクライナ詠。)

 

 

除染土の・搬送ダンプの・隊列が・未だ絶え間なく・常磐道走る 

                   (いわき市 守岡和之)(高野公彦選)

 

 

(国民的記憶を維持するためそのまま日本中を永遠に走り回ることにしたらいいではないか。)

 

 

人が死に・人が傷つく・爆弾に・きれい・汚い・あるはずもなし 

                    (石川県 瀧上裕幸)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

ロケットは・平和利用に・ミサイルは・戦争利用・同じ技術で 

                   (長崎県 中山のりお)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

この星に・もともと無かりし・国境を・決めし時より・戦争はある 

                   (観音寺市 篠原俊則)(永田和宏選)

 

 

(ウクライナ詠)

 

 

画面から・コロナ専門医・消え・ロシア専門家・出番に移る 

                 (船橋市 佐々木美禰子)(馬場あき子選)

 

 

(ウクライナ詠)