2022年11月13日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第483回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇に37首中2首、俳壇に40句中1句でした。
今回からそれを掲載します。
【俳句】
だってしやうが・ないじゃないか・色変へぬ松
(大阪市 大塚俊雄)(小林貴子選)
(事情はよくわからないが、松は手間がかかることは事実。)
探すうち・別のもの出で・秋深し (府中市 志村耕一)(小林貴子選)
(その別のものがなかなか重かった。)
戦争と・云ふしかばねの・冬に入る (福島県伊達市 佐藤茂)(長谷川櫂選)
(ウクライナ詠)
枯葉道・かそけき音の・チワワ行く (国立市 加藤正文)(大串章選)
(枯葉の音を聞き分けていたのだ。)
戒名に・‶雲″一字・欲し秋彼岸 (市川市 渡辺迪子)(高山れおな選)
(自分で俳号などに使おうとすると偉すぎてしまう。)
【短歌】
攻めること・「軍事作戦」・などと言い・攻めらるること・「テロ」と言い張る
(観音寺市 篠原俊則)(永田和宏選)
(ウクライナ詠)
麦ふみの・できる喜び・かみしめて・サンバのリズムで・大地をノック
(延岡市 片伯部りつ子)(馬場あき子選)
(五七五七七がサンバのリズムになった。)
猪が・歩道を走り・熊親子・コンビニのぞく・早朝の街
(新発田市 北条祐史)(佐佐木幸綱選)
(考えようによってはメルヘンチック。)
この指に・止まらなかった・赤蜻蛉・わたしは次の・季節へ行くね
(吹田市 赤松みなみ)(高野公彦選)
(これだけ強いと回復不可能だろう。)
傷つけし・ごとくにふかし・ゼレンスキー・大統領の・眉間のたてじわ
(盛岡市 山内仁子)(高野公彦選)
(ウクライナ詠)